概要
計算
監修医師

FOURスコアとは?

Full Outline of UnResponsivenessの略で、 2005年にEelco F.M. Wijdicksらの研究グループによって開発された意識障害分類である¹⁾。 特に神経学的集中治療患者を対象とし、 従来の🔢GCS (グラスゴーコーマスケール) の限界を克服するために考案された。

FOURスコアの計算方法

開眼、 運動反応、 脳幹反射、 呼吸の4つの要素および合計点で評価される

Eye Response (開眼)

- 4点: 自発開眼、 指示で開眼、 追視、 瞬き

- 3点: 開眼しているが、 追視なし

- 2点: 閉眼しているが、 大きな声で開眼する

- 1点: 閉眼しているが、 痛み刺激で開眼する

- 0点: 痛み刺激でも開眼しない

Motor Response (運動反応)

- 4点: 指示に応じ親指立て、またはピース

- 3点: 痛みの場所を認識し、 四肢を持ってくる

- 2点: 痛み刺激で屈曲反応

- 1点: 痛み刺激で進展反応

- 0点: 痛み刺激で反応なし or 全身ミオクローヌス

Brainstem Reflex (脳幹反射)

- 4点: 対光反射と角膜反射を認める

- 3点: 一側瞳孔の散大固定

- 2点: 対光反射または角膜反射の消失

- 1点: 対光反射と角膜反射の消失

- 0点: 対光反射、 角膜反射、 咳反射の消失

Respiration (呼吸)

- 4点: 非挿管 (呼吸規則的)

- 3点: 非挿管 (Cheyne-Stokes)

- 2点: 非挿管 (呼吸不規則)

- 1点: 挿管 (呼吸器で呼吸をしている、無呼吸)

- 0点: 挿管 (設定呼吸回数よりも呼吸が多い)

Ann Neurol. 2005 Oct;58(4):585-93. より引用

エビデンス

オリジナルのFOURスコアのバリデーションは、 120名のICU患者を対象に行われた¹⁾。 その後の研究でも、 FOURスコアがGCSと同等以上の信頼性を持ち、 特に脳幹反射や呼吸パターンの評価において優れていることが確認されている。

使用上の注意点

FOURスコアはGCSよりも多くの臨床情報を提供するが、 そのため評価にはトレーニングが必要である。

特に脳幹反射や呼吸パターンの評価に慣れていない医療従事者にとっては難易度が高い可能性がある。 また、 意識レベルの変動が激しい患者や急性期の変化がある患者においては、 頻回な評価が求められる。

出典

1) Validation of a new coma scale: The FOUR score. Ann Neurol. 2005 Oct;58(4):585-93. PMID: 16178024

最終更新日:2024年8月12日
HOKUTO編集部医師監修

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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FOURスコア

意識障害の分類
2024年08月12日更新
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FOURスコアとは?

Full Outline of UnResponsivenessの略で、 2005年にEelco F.M. Wijdicksらの研究グループによって開発された意識障害分類である¹⁾。 特に神経学的集中治療患者を対象とし、 従来の🔢GCS (グラスゴーコーマスケール) の限界を克服するために考案された。

FOURスコアの計算方法

開眼、 運動反応、 脳幹反射、 呼吸の4つの要素および合計点で評価される

Eye Response (開眼)

- 4点: 自発開眼、 指示で開眼、 追視、 瞬き

- 3点: 開眼しているが、 追視なし

- 2点: 閉眼しているが、 大きな声で開眼する

- 1点: 閉眼しているが、 痛み刺激で開眼する

- 0点: 痛み刺激でも開眼しない

Motor Response (運動反応)

- 4点: 指示に応じ親指立て、またはピース

- 3点: 痛みの場所を認識し、 四肢を持ってくる

- 2点: 痛み刺激で屈曲反応

- 1点: 痛み刺激で進展反応

- 0点: 痛み刺激で反応なし or 全身ミオクローヌス

Brainstem Reflex (脳幹反射)

- 4点: 対光反射と角膜反射を認める

- 3点: 一側瞳孔の散大固定

- 2点: 対光反射または角膜反射の消失

- 1点: 対光反射と角膜反射の消失

- 0点: 対光反射、 角膜反射、 咳反射の消失

Respiration (呼吸)

- 4点: 非挿管 (呼吸規則的)

- 3点: 非挿管 (Cheyne-Stokes)

- 2点: 非挿管 (呼吸不規則)

- 1点: 挿管 (呼吸器で呼吸をしている、無呼吸)

- 0点: 挿管 (設定呼吸回数よりも呼吸が多い)

Ann Neurol. 2005 Oct;58(4):585-93. より引用

エビデンス

オリジナルのFOURスコアのバリデーションは、 120名のICU患者を対象に行われた¹⁾。 その後の研究でも、 FOURスコアがGCSと同等以上の信頼性を持ち、 特に脳幹反射や呼吸パターンの評価において優れていることが確認されている。

使用上の注意点

FOURスコアはGCSよりも多くの臨床情報を提供するが、 そのため評価にはトレーニングが必要である。

特に脳幹反射や呼吸パターンの評価に慣れていない医療従事者にとっては難易度が高い可能性がある。 また、 意識レベルの変動が激しい患者や急性期の変化がある患者においては、 頻回な評価が求められる。

出典

1) Validation of a new coma scale: The FOUR score. Ann Neurol. 2005 Oct;58(4):585-93. PMID: 16178024

最終更新日:2024年8月12日
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