概要
計算
監修医師

J-ERATOスコアとは?

2018年にHayashida K、 Kondo Y、 Hifumi Tらによって開発され熱中症患者の臨床転帰を予測するためのリスク評価ツールである¹⁾。

J-ERATO:Japanese Early Risk Assessment Tool for Detecting Clinical Outcomes in Patients with Heat-Related Illness

スコアの計算方法

以下の6つの項目の合計点として算出される。

- 呼吸数≧ 22回/分+1点

- GCS< 15 +1点

- 収縮期血圧≦100mmHg +1点

- 心拍数 ≧100 bpm +1点

- 体温 ≧38.0℃ +1点

- 年齢≧65歳+1点

PLoS One. 2018 May 9;13(5):e0197032. より引用

スコアの解釈

スコアが高いほど入院率が増加する。 入院率調整オッズ比は2.43 (95%CI:2.06-2.87, P < 0.001)。 また、 ICU入院の調整オッズ比は3.73 (95%CI:2.95-4.72, P < 0.001) や院内死亡の調整オッズ比は1.65 (95%CI:1.18-2.32, P = 0.004) といずれのリスクも増加することが確認されている¹⁾。

- 0点:入院率 5.0%

- 1点:入院率 15.0%

- 2点:入院率 24.6%

- 3点:入院率 38.6%

- 4点:入院率 68.0%

- 5点:入院率 85.2%

- 6点:入院率 96.4%

エビデンス¹⁾

J-ERATOスコアの開発と検証は、 3,001人の患者を対象とした多施設共同観察研究に基づいている¹⁾。 この研究は、 2010年と2012年の夏季に、 日本全国の94および103の救急病院で行われた。

スコアの開発においては、 ロジスティック回帰モデルが使用され、 スコアが高いほど病院入院、 ICU入院、 院内死亡のリスクが高まることが確認された。 検証コホートにおけるスコアのC統計量は0.84であり、 優れた判別力を示した¹⁾。

使用上の注意点

このスコアは熱中症患者の初期評価に有用であるが、 主に日本の高齢者人口に基づいている点に注意が必要である。

出典

1) A novel early risk assessment tool for detecting clinical outcomes in patients with heat-related illness (J-ERATO score): Development and validation in independent cohorts in Japan. PLoS One. 2018 May 9;13(5):e0197032. PMID: 29742138

最終更新日 : 2024年7月27日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師

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J-ERATOスコア

熱中症患者の臨床転機予測スコア
2024年07月26日更新
概要
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J-ERATOスコアとは?

2018年にHayashida K、 Kondo Y、 Hifumi Tらによって開発され熱中症患者の臨床転帰を予測するためのリスク評価ツールである¹⁾。

J-ERATO:Japanese Early Risk Assessment Tool for Detecting Clinical Outcomes in Patients with Heat-Related Illness

スコアの計算方法

以下の6つの項目の合計点として算出される。

- 呼吸数≧ 22回/分+1点

- GCS< 15 +1点

- 収縮期血圧≦100mmHg +1点

- 心拍数 ≧100 bpm +1点

- 体温 ≧38.0℃ +1点

- 年齢≧65歳+1点

PLoS One. 2018 May 9;13(5):e0197032. より引用

スコアの解釈

スコアが高いほど入院率が増加する。 入院率調整オッズ比は2.43 (95%CI:2.06-2.87, P < 0.001)。 また、 ICU入院の調整オッズ比は3.73 (95%CI:2.95-4.72, P < 0.001) や院内死亡の調整オッズ比は1.65 (95%CI:1.18-2.32, P = 0.004) といずれのリスクも増加することが確認されている¹⁾。

- 0点:入院率 5.0%

- 1点:入院率 15.0%

- 2点:入院率 24.6%

- 3点:入院率 38.6%

- 4点:入院率 68.0%

- 5点:入院率 85.2%

- 6点:入院率 96.4%

エビデンス¹⁾

J-ERATOスコアの開発と検証は、 3,001人の患者を対象とした多施設共同観察研究に基づいている¹⁾。 この研究は、 2010年と2012年の夏季に、 日本全国の94および103の救急病院で行われた。

スコアの開発においては、 ロジスティック回帰モデルが使用され、 スコアが高いほど病院入院、 ICU入院、 院内死亡のリスクが高まることが確認された。 検証コホートにおけるスコアのC統計量は0.84であり、 優れた判別力を示した¹⁾。

使用上の注意点

このスコアは熱中症患者の初期評価に有用であるが、 主に日本の高齢者人口に基づいている点に注意が必要である。

出典

1) A novel early risk assessment tool for detecting clinical outcomes in patients with heat-related illness (J-ERATO score): Development and validation in independent cohorts in Japan. PLoS One. 2018 May 9;13(5):e0197032. PMID: 29742138

最終更新日 : 2024年7月27日
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