CAGEテストとは？

アルコール依存症のスクリーニングを目的とした4つの質問からなる簡便な質問票である¹⁾｡ 対象はアルコール摂取歴がある成人患者全般であり､ 入院･外来問わず臨床のあらゆる状況において､ ｢アルコール問題の可能性を素早く見逃さない｣ ために使用される｡ 特にプライマリケアや救急外来､一般内科､精神科など､幅広い場面でのスクリーニングに有用とされる¹⁾²⁾｡

計算方法

CAGEは以下の4つの質問から成り立つ｡ 各質問に対して ｢はい｣ の答えが1点となる｡

1. 飲酒量を減らさなければいけないと感じたことがありますか

C:Have you ever felt you ought to Cut down on your drinking?

2. 他人があなたの飲酒を非難するので気にさわったことがありますか

A:Have people Annoyed you by criticizing your drinking?

3. 自分の飲酒について悪いとか申し訳ないと感じたことがありますか

G:Have you ever felt bad or Guilty about your drinking?

4. 神経を落ち着かせたり､ 二日酔いを治すために､ ｢迎え酒｣ をしたことがありますか

E:Have you ever had a drink first thing in the morning to steady your nerves or to get rid of a hangover(Eye-opener)?

スコアの合計点が2点以上で､ アルコール依存症の可能性が高いと考えることができる｡

出典 : JAMA.1984 Oct 12;252(14):1905-7.

使用上の注意点

CAGEはあくまでスクリーニングツールであり､ アルコール依存症の診断自体を確定するものではないことに注意が必要である｡ スコアが2点以上であっても必ずしもアルコール依存症であるとは限らない｡ アルコール依存症の診断は専門的な診査と評価の結果に基づく｡

2025年に発表されたNEJMのアルコール使用障害に関する総説でも､ CAGEは簡便であり重度のアルコール依存症の検出には有用だが､ 軽度の患者を検出する目的ではAUDIT-Cなど他のツールを併用した方が望ましいとされた²⁾｡

出典

1) Detecting alcoholism. The CAGE questionnaire, JAMA. 1984 Oct 12;252(14):1905-7. PMID: 6471323

2) Identification and Treatment of Alcohol Use Disorder. N Engl J Med. 2025 Jan 16;392(3):258-266. PMID: 39813644

最終更新日 : 2025年2月2日

監修医師 : HOKUTO編集部監修医師