左室駆出分画 (EF) とは？

左室駆出分画 (left ventricular ejection fraction : EFまたはLVEF) は､ 心筋の収縮力や駆出力を評価するための指標の一つである｡ 心筋梗塞や心筋症など心疾患を持つ患者や､ 手術を予定している患者の診断や評価に使われる｡ また､ 左室駆出分画は適応心不全の早期識別や診断､進行度評価にも利用される｡

推算式

左室駆出分画 (LVEF) は､ 心臓の左室が収縮する時に排出される血液の量を､ 左室自体の血液容量で割った値である｡ 具体的には､ 左室収縮期容量 (LVEDV) と左室拡張期容量 (LVESV) を用いて計算され､ 推算式は以下の通りである｡

LVEF[％] = ( LVEDV - LVESV ) / LVEDV * 100

算出方法

左室駆出分画は､ 主に心エコー (Mモードや2Dエコー､ 3Dエコーなど) や核心磁気共鳴画像法 (MRI)､ コンピュータ断層撮影 (CT) などで求められる｡

Teichholz法 ※本ツールで採用

左室を回転楕円体と仮定し､ 傍胸骨長軸像または短軸像のMモードエコー図で､ 左室最大短径を通るビーム方向での心室中隔左室側心内膜面から､ 左室後壁心内膜面までの垂直 (直線) 距離を拡張末期と収縮末期で計測｡ それぞれ拡張末期径 (LVEDd), 収縮末期径 (LVESd) として容積を計算する｡ 計算式としては以下のTeichholz法が一般的である (Vは容積､ Dは径を示す)｡

V = (7.0 / 2.4 + D) × D³

エビデンス

左室駆出分画は､ 心不全の診断および予後予測に有益とされている｡ 全体的な左室機能の評価のための指標であり､ 心不全患者の薬物治療における効果判定や予後予測にも役立つとされている｡ 特に､ 低下した左室駆出分画は､ 心不全の重症度と予後との関連性が示されており､左室駆出分画の値は心不全の評価や治療戦略の決定に重要な役割を果たす｡

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最終更新 : 2024年11月19日

監修医師 : HOKUTO編集部監修医師