BPSとは？

Biophysical Profile Scoreの略称で､ 1980年代にManningらの研究グループにより発表された胎児‐胎盤機能の評価法である¹⁾｡

BPSの計算方法

超音波検査で得られる胎児行動の4つの項目と､ ノンストレステスト (NST) の合わせて5項目をスコア化する｡ 検査は全ての基準が満たされるか､ 30分が経過するまで続ける｡

1. ノンストレステスト (NST)

• 正常 (2点) 15bpm以上､ 15秒以上持続する一過性頻脈が20分間に2回以上
• 異常 (0点) 15bpm以上､ 15秒以上の一過性頻脈が得られないもの｡ あるいは15bpm以上､ 15秒以上持続する一過性頻脈が20分間に2回未満

2. 胎児呼吸様運動 (FBM)

• 正常 (2点) 30秒以上持続する胎児呼吸様運動が30分間に1回以上
• 異常 (0点) 胎児呼吸様運動がないか､ 30秒以上持続する胎児呼吸様運動が30分間に1回も認められない

2. 胎児粗大運動 (FM)

• 正常 (2点) 躯幹や四肢の単発あるいは複合した運動が30分間に3回以上
• 異常 (0点) 上記が30分間に2回以下

連続した胎動は1回と数える｡ しかめ面､ 吸啜､ 嚥下､ 欠伸､ 眼球運動などは胎動として数えない

3. 胎児筋緊張 (ET)

• 正常 (2点) 静止時に屈曲位にあった脊柱や四肢が胎動に伴い伸展し､ 速やかに元の屈曲位に戻る動作が30分間に1回以上

手のひらの開閉は正常とみなす

• 異常 (0点) ゆっくり伸展し完全な屈曲位に戻らないもの､ 伸展位のままの四肢の動き､ 胎動がない､ 手のひらが完全に開いていないもの

4. 羊水

• 正常 (2点) 羊水ポケットの垂直断面の径が2cm以上
• 異常 (0点) 垂直断面の径が2cm以上の羊水ポケットがみあたらない

使用上の注意点

本邦ではBPSと表記されることが多い｡ 一方､ 著者のその後のレビューなどではスコアのSを入れずに"BPP"と表記することが多い｡

出典

1) Antepartum fetal evaluation: development of a fetal biophysical profile. Am J Obstet Gynecol. 1980 Mar 15;136(6):787-95. PMID: 7355965

最終更新日 : 2024年8月10日

HOKUTO編集部医師監修