概要
計算
監修医師

診断基準の変遷

2024年に新たな診断基準を提唱

2008年基準¹⁾の発表後、 日本独自の血清診断法 (抗GPL-core IgA抗体) 開発や胃液培養の有用性報告、 菌種同定の新技術 (質量分析等) が実用化され、 これらの国内での知見と検査法の進展を踏まえ、 実臨床に即した 「暫定的診断基準」 を新たに追加する形で、 2024年に診断基準が改訂された²⁾。

2024年改訂版について¹⁾

肺非結核性抗酸菌症の診断基準

日本結核・非結核性抗酸菌症学会・日本呼吸器学会基準
以下のA、 Bの基準を満たすもの

A. 臨床的基準 (以下の2項目を満たす)

  1. 胸部CT (HRCTが望ましい) で、 結節性陰影・小結節性陰影や分枝状陰影の散布・均等性陰影、 空洞性陰影・気管支または細気管支拡張陰影のいずれかの所見 (複数可) を示す。
  2. 他の疾患を除外できる。

B. 細菌学的基準 (菌種の区別なく以下のいずれか1項目を満たす)

  1. 2回以上の異なった喀痰検体での培養陽性。
  2. 1回以上の気管支洗浄液および肺胞洗浄液での培養陽性。
  3. 病理組織検査 (経気管支肺生検または肺生検検体) で抗酸菌症に合致する所見を認め、 組織または喀痰検体で1回の培養陽性。

暫定的診断基準

  1. 肺MAC症の初回診断時に限り、 臨床的基準を満たし、 1回の喀痰検体で培養陽性かつ抗GPL-core IgA抗体陽性。
  2. 臨床的基準を満たし、 胃液検体で培養陽性の場合、 喀痰検体で1回以上の培養陽性。

[付記]

  • 暫定的診断基準はわが国の基準であり国際ガイドラインでは認められていない。
  • 通常、 本疾患では検体採取には十分な時間的余裕があり、 抗GPL-core IgA抗体、 胃液を利用した診断は喀痰を得ることが難しい状況に限定すべきである。
  • 暫定的診断基準を満たした後も、 検体採取を継続し、 国際ガイドラインの診断基準を満たすよう努める。 なお、 本暫定基準の妥当性については引き続き評価を行う。

参考:2008年版について²⁾

肺非結核性抗酸菌症(NTM)の診断基準

出典

1) 日本結核・非結核性抗酸菌症学会 非結核性抗酸菌症対策委員会 日本呼吸器学会 感染症・結核学術部会, 肺非結核性抗酸菌症診断に関する指針─2024年改訂. 結核 2024, 99(7) : 267-270

2) 日本結核病学会非結核性抗酸菌症対策委員会, 肺非結核性抗酸菌症診断に関する指針 2008年, 結核 2008, 83(7) : 525-526.

最終更新:2025年5月11日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師

肺非結核性抗酸菌症(NTM)の診断基準
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肺非結核性抗酸菌症(NTM)の診断基準

肺非結核性抗酸菌症(NTM)の診断基準

診断基準2024年版および2008年版
2025年05月11日更新
概要
計算

診断基準の変遷

2024年に新たな診断基準を提唱

2008年基準¹⁾の発表後、 日本独自の血清診断法 (抗GPL-core IgA抗体) 開発や胃液培養の有用性報告、 菌種同定の新技術 (質量分析等) が実用化され、 これらの国内での知見と検査法の進展を踏まえ、 実臨床に即した 「暫定的診断基準」 を新たに追加する形で、 2024年に診断基準が改訂された²⁾。

2024年改訂版について¹⁾

肺非結核性抗酸菌症の診断基準

日本結核・非結核性抗酸菌症学会・日本呼吸器学会基準
以下のA、 Bの基準を満たすもの

A. 臨床的基準 (以下の2項目を満たす)

  1. 胸部CT (HRCTが望ましい) で、 結節性陰影・小結節性陰影や分枝状陰影の散布・均等性陰影、 空洞性陰影・気管支または細気管支拡張陰影のいずれかの所見 (複数可) を示す。
  2. 他の疾患を除外できる。

B. 細菌学的基準 (菌種の区別なく以下のいずれか1項目を満たす)

  1. 2回以上の異なった喀痰検体での培養陽性。
  2. 1回以上の気管支洗浄液および肺胞洗浄液での培養陽性。
  3. 病理組織検査 (経気管支肺生検または肺生検検体) で抗酸菌症に合致する所見を認め、 組織または喀痰検体で1回の培養陽性。

暫定的診断基準

  1. 肺MAC症の初回診断時に限り、 臨床的基準を満たし、 1回の喀痰検体で培養陽性かつ抗GPL-core IgA抗体陽性。
  2. 臨床的基準を満たし、 胃液検体で培養陽性の場合、 喀痰検体で1回以上の培養陽性。

[付記]

  • 暫定的診断基準はわが国の基準であり国際ガイドラインでは認められていない。
  • 通常、 本疾患では検体採取には十分な時間的余裕があり、 抗GPL-core IgA抗体、 胃液を利用した診断は喀痰を得ることが難しい状況に限定すべきである。
  • 暫定的診断基準を満たした後も、 検体採取を継続し、 国際ガイドラインの診断基準を満たすよう努める。 なお、 本暫定基準の妥当性については引き続き評価を行う。

参考:2008年版について²⁾

肺非結核性抗酸菌症(NTM)の診断基準

出典

1) 日本結核・非結核性抗酸菌症学会 非結核性抗酸菌症対策委員会 日本呼吸器学会 感染症・結核学術部会, 肺非結核性抗酸菌症診断に関する指針─2024年改訂. 結核 2024, 99(7) : 267-270

2) 日本結核病学会非結核性抗酸菌症対策委員会, 肺非結核性抗酸菌症診断に関する指針 2008年, 結核 2008, 83(7) : 525-526.

最終更新:2025年5月11日
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