概要
計算
監修医師

厚生労働省作成の概要 / 診断基準等及び臨床調査個人票はこちらよりご確認いただけます

厚生労働省. 指定難病の概要、 診断基準等、 臨床調査個人票 (告示番号1~341) ※令和6年4月1日より適用 へ遷移します

診断基準

Definite:A+B のいずれか +C を満たすもの
※指定難病申請は「Definite」が対象

A. 症状

複数の領域に腫大したリンパ節を認める (≧1cm)

B. 検査所見

リンパ節または臓器の病理組織所見が下記のいずれかのキャッスルマン病の組織像に合致する。

 

 1. 硝子血管型

リンパ濾胞の拡大と胚中心の委縮。 硝子化を伴う血管の増生。 形質細胞は少ない。  

 2. 形質細胞型

リンパ濾胞の過形成。 濾胞間の形質細胞の著増。 血管新生が見られることもある。 

 3. 硝子血管型と形質細胞型の混合型

1、 2の混合所見。

C. 除外

ヒト・ヘルペスウイルス8型 (HHV-8) 関連キャッスルマン病 (免疫不全を背景としたHHV-8感染の見られるもの) を除外する。

参考所見:鑑別診断として下記を除外

1.悪性腫瘍

血管免疫芽球性 T 細胞性リンパ腫、 ホジキンリンパ腫、 濾胞樹状細胞肉腫、 腎がん、 悪性中皮腫、 肺がん、 子宮頸がん

2.感染症

非結核性抗酸菌症、 ねこひっかき病、 リケッチア感染症、 トキソプラズマ感染症、 真菌性リンパ節炎、 伝染性単核球症、 慢性活動性 EB ウイルス感染症、 HIV 感染症

3.自己免疫疾患

SLE、 関節リウマチ、 シェーグレン症候群

4.その他の類似した症候を呈する疾患

IgG4関連疾患、 組織球性壊死性リンパ節炎、 POEMS症候群、 サルコイドーシス、 特発性門脈圧亢進症、 単中心性 (限局型) キャッスルマン病 (病変リンパ節が1個のみ、 あるいは外科的全切除が可能な一つの領域に限局しているもの)

重症度分類

①~③のいずれかに該当する者を対象とする。

①機能的評価:Barthel Index ≦ 85点
②CKD重症度分類:ヒートマップ赤部分
③肺障害:間質性陰影+ 重症度分類Ⅲ度以上

①Barthel Indexの質問項目²⁾ 🔢計算

指定難病申請は「85点以下」が対象

食事

  • 自立、 自助具などの装着可、 標準的時間内に食べ終える +10
  • 部分介助 (例えば、 おかずを切って細かくしてもらう) +5
  • 全介助 0

車椅子からベッドへの移動

  • 自立、 ブレーキ、 フットレストの操作も含む (歩行自立も含む) +15
  • 軽度の部分介助又は監視を要する +10
  • 座ることは可能であるがほぼ全介助 +5
  • 全介助又は不可能 0

整容

  • 自立 (洗面、 整髪、 歯磨き、 ひげ剃り) +5
  • 部分介助又は不可能 0

トイレ動作

  • 自立 (衣服の操作、 後始末を含む、ポータブル便器などを使用している場合はその洗浄も含む) +10
  • 部分介助、 体を支える、 衣服、 後始末に介助を要する +5
  • 全介助又は不可能 0

入浴

  • 自立 +5
  • 部分介助又は不可能 0

歩行

  • 45m以上の歩行、 補装具 (車椅子、 歩行器は除く) の使用の有無は問わず +15
  • 45m以上の介助歩行、 歩行器の使用を含む +10
  • 歩行不能の場合、 車椅子にて 45m以上の操作可能 +5
  • 上記以外 0

階段昇降

  • 自立、 手すりなどの使用の有無は問わない +10
  • 介助又は監視を要する +5
  • 不能 0

着替え

  • 自立、 靴、 ファスナー、 装具の着脱を含む +10
  • 部分介助、 標準的な時間内、 半分以上は自分で行える +5
  • 上記以外 0

排便コントロール

  • 失禁なし、 浣腸、 坐薬の取扱いも可能 +10
  • ときに失禁あり、 浣腸、 坐薬の取扱いに介助を要する者も含む +5
  • 上記以外 0

排尿コントロール

  • 失禁なし、 収尿器の取扱いも可能 +10
  • ときに失禁あり、 収尿器の取扱いに介助を要する者も含む +5
  • 上記以外 0

②CKD重症度分類ヒートマップ

指定難病申請は「赤の部分」が対象
特発性多中心性キャッスルマン病の診断基準・重症度分類

③肺障害の重症度分類判定表

指定難病申請は「間質性の肺陰影がみられ、 肺障害の重症度分類でⅢ度以上」が対象
特発性多中心性キャッスルマン病の診断基準・重症度分類

関連コンテンツ

🔢 Barthel Index

🔢 CKDの診断基準とCGA分類

参考文献

  1. 厚生労働省. 「平成30年4月1日施行の指定難病 (告示番号331) 特発性多中心性キャッスルマン病 概要・診断基準等」https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000198086.docx (参照2023-2-21)
  2. FUNCTIONAL EVALUATION: THE BARTHEL INDEX. Md State Med J. 1965 Feb;14:61-5. PMID: 14258950
 
最終更新:2024年5月5日 
監修医師:HOKUTO編集部医師

特発性多中心性キャッスルマン病の診断基準・重症度分類
特発性多中心性キャッスルマン病の診断基準・重症度分類
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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厚生労働省 指定難病331
2024年05月05日更新
概要
計算

厚生労働省作成の概要 / 診断基準等及び臨床調査個人票はこちらよりご確認いただけます

厚生労働省. 指定難病の概要、 診断基準等、 臨床調査個人票 (告示番号1~341) ※令和6年4月1日より適用 へ遷移します

診断基準

Definite:A+B のいずれか +C を満たすもの
※指定難病申請は「Definite」が対象

A. 症状

複数の領域に腫大したリンパ節を認める (≧1cm)

B. 検査所見

リンパ節または臓器の病理組織所見が下記のいずれかのキャッスルマン病の組織像に合致する。

 

 1. 硝子血管型

リンパ濾胞の拡大と胚中心の委縮。 硝子化を伴う血管の増生。 形質細胞は少ない。  

 2. 形質細胞型

リンパ濾胞の過形成。 濾胞間の形質細胞の著増。 血管新生が見られることもある。 

 3. 硝子血管型と形質細胞型の混合型

1、 2の混合所見。

C. 除外

ヒト・ヘルペスウイルス8型 (HHV-8) 関連キャッスルマン病 (免疫不全を背景としたHHV-8感染の見られるもの) を除外する。

参考所見:鑑別診断として下記を除外

1.悪性腫瘍

血管免疫芽球性 T 細胞性リンパ腫、 ホジキンリンパ腫、 濾胞樹状細胞肉腫、 腎がん、 悪性中皮腫、 肺がん、 子宮頸がん

2.感染症

非結核性抗酸菌症、 ねこひっかき病、 リケッチア感染症、 トキソプラズマ感染症、 真菌性リンパ節炎、 伝染性単核球症、 慢性活動性 EB ウイルス感染症、 HIV 感染症

3.自己免疫疾患

SLE、 関節リウマチ、 シェーグレン症候群

4.その他の類似した症候を呈する疾患

IgG4関連疾患、 組織球性壊死性リンパ節炎、 POEMS症候群、 サルコイドーシス、 特発性門脈圧亢進症、 単中心性 (限局型) キャッスルマン病 (病変リンパ節が1個のみ、 あるいは外科的全切除が可能な一つの領域に限局しているもの)

重症度分類

①~③のいずれかに該当する者を対象とする。

①機能的評価:Barthel Index ≦ 85点
②CKD重症度分類:ヒートマップ赤部分
③肺障害:間質性陰影+ 重症度分類Ⅲ度以上

①Barthel Indexの質問項目²⁾ 🔢計算

指定難病申請は「85点以下」が対象

食事

  • 自立、 自助具などの装着可、 標準的時間内に食べ終える +10
  • 部分介助 (例えば、 おかずを切って細かくしてもらう) +5
  • 全介助 0

車椅子からベッドへの移動

  • 自立、 ブレーキ、 フットレストの操作も含む (歩行自立も含む) +15
  • 軽度の部分介助又は監視を要する +10
  • 座ることは可能であるがほぼ全介助 +5
  • 全介助又は不可能 0

整容

  • 自立 (洗面、 整髪、 歯磨き、 ひげ剃り) +5
  • 部分介助又は不可能 0

トイレ動作

  • 自立 (衣服の操作、 後始末を含む、ポータブル便器などを使用している場合はその洗浄も含む) +10
  • 部分介助、 体を支える、 衣服、 後始末に介助を要する +5
  • 全介助又は不可能 0

入浴

  • 自立 +5
  • 部分介助又は不可能 0

歩行

  • 45m以上の歩行、 補装具 (車椅子、 歩行器は除く) の使用の有無は問わず +15
  • 45m以上の介助歩行、 歩行器の使用を含む +10
  • 歩行不能の場合、 車椅子にて 45m以上の操作可能 +5
  • 上記以外 0

階段昇降

  • 自立、 手すりなどの使用の有無は問わない +10
  • 介助又は監視を要する +5
  • 不能 0

着替え

  • 自立、 靴、 ファスナー、 装具の着脱を含む +10
  • 部分介助、 標準的な時間内、 半分以上は自分で行える +5
  • 上記以外 0

排便コントロール

  • 失禁なし、 浣腸、 坐薬の取扱いも可能 +10
  • ときに失禁あり、 浣腸、 坐薬の取扱いに介助を要する者も含む +5
  • 上記以外 0

排尿コントロール

  • 失禁なし、 収尿器の取扱いも可能 +10
  • ときに失禁あり、 収尿器の取扱いに介助を要する者も含む +5
  • 上記以外 0

②CKD重症度分類ヒートマップ

指定難病申請は「赤の部分」が対象
特発性多中心性キャッスルマン病の診断基準・重症度分類

③肺障害の重症度分類判定表

指定難病申請は「間質性の肺陰影がみられ、 肺障害の重症度分類でⅢ度以上」が対象
特発性多中心性キャッスルマン病の診断基準・重症度分類

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🔢 CKDの診断基準とCGA分類

参考文献

  1. 厚生労働省. 「平成30年4月1日施行の指定難病 (告示番号331) 特発性多中心性キャッスルマン病 概要・診断基準等」https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000198086.docx (参照2023-2-21)
  2. FUNCTIONAL EVALUATION: THE BARTHEL INDEX. Md State Med J. 1965 Feb;14:61-5. PMID: 14258950
 
最終更新:2024年5月5日 
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