HANDOCスコアは、 Torgny Sunnerhagen氏らによって開発され、 2018年に掲載された臨床予測スコアである¹⁾。 このスコアは、 非β溶血性レンサ球菌 (non-β-hemolytic streptococci; NBHS) による菌血症を呈する成人患者において、 感染性心内膜炎 (Infective Endocarditis; IE) を発症するリスクを層別化し、 心エコー検査の必要性を判断する一助となることを目的としている¹⁾。
● 心雑音、弁膜症の存在 +1
● 原因菌
- S.bovis、S.sanguinis、S.mutans +1
- S.anginosus: -1
- 他のstreptococcal group : +0
● 血培でNBHS陽性 ≧ 2セット +1
● 症状の持続期間 ≧ 7日 +1
● 血培で単一菌種のみ検出 +1
● 市中感染 +1
原著論文では、 スコアが2点以下の場合、 IEのリスクは非常に低いとされた¹⁾。
カットオフ値を2点と3点の間 (すなわち3点以上で高リスク) に設定した場合、 開発コホートでの感度は100%、 特異度は73%、 検証コホートでの感度は100%、 特異度は76%であった¹⁾。
HANDOCスコアの有用性は、 スウェーデンの単一医療圏におけるNBHS菌血症患者を対象としたレトロスペクティブ研究によって示された¹⁾。 この研究では、 まず開発コホート (339人、 うちIE 26人) でスコアを作成し、 次に別の検証コホート (399人、 うちIE 37人) でその妥当性を検証した¹⁾。 両コホートにおいて、 カットオフ値を3点以上とした場合に100%の感度を達成しており、 IEを見逃さないという点で優れた性能を示した¹⁾。
このスコアは、 NBHS菌血症における心エコー検査の適応を判断するための簡便なツールとして提案されている。 しかし、 原著論文の著者らも述べているように、 この研究は特定の地域で行われたものであり、 異なる医療環境や患者集団における有用性については、 さらなる外部検証が重要である¹⁾。
診断の限界: このスコアはあくまで臨床判断を補助するツールであり、 スコアが低い場合でも、 臨床医がIEを強く疑う他の所見 (例 : 新たな塞栓症状、 原因不明の持続する発熱など) がある場合には、 心エコー検査を躊躇すべきではない¹⁾。
対象患者の限定: 原著研究では、 18歳未満の患者、 好中球減少症の患者、 カルテ情報が利用できない患者は除外されている¹⁾。 これらの患者群への適用の妥当性は不明である。 特に好中球減少症患者におけるNBHS菌血症はIEのリスクが低いと考えられているが、 本スコアの評価対象外である¹⁾。
🔢 NOVAスコア
最終更新 : 2025年5月11日
監修医師 : 聖路加国際病院救急部 清水真人
HANDOCスコアは、 Torgny Sunnerhagen氏らによって開発され、 2018年に掲載された臨床予測スコアである¹⁾。 このスコアは、 非β溶血性レンサ球菌 (non-β-hemolytic streptococci; NBHS) による菌血症を呈する成人患者において、 感染性心内膜炎 (Infective Endocarditis; IE) を発症するリスクを層別化し、 心エコー検査の必要性を判断する一助となることを目的としている¹⁾。
● 心雑音、弁膜症の存在 +1
● 原因菌
- S.bovis、S.sanguinis、S.mutans +1
- S.anginosus: -1
- 他のstreptococcal group : +0
● 血培でNBHS陽性 ≧ 2セット +1
● 症状の持続期間 ≧ 7日 +1
● 血培で単一菌種のみ検出 +1
● 市中感染 +1
原著論文では、 スコアが2点以下の場合、 IEのリスクは非常に低いとされた¹⁾。
カットオフ値を2点と3点の間 (すなわち3点以上で高リスク) に設定した場合、 開発コホートでの感度は100%、 特異度は73%、 検証コホートでの感度は100%、 特異度は76%であった¹⁾。
HANDOCスコアの有用性は、 スウェーデンの単一医療圏におけるNBHS菌血症患者を対象としたレトロスペクティブ研究によって示された¹⁾。 この研究では、 まず開発コホート (339人、 うちIE 26人) でスコアを作成し、 次に別の検証コホート (399人、 うちIE 37人) でその妥当性を検証した¹⁾。 両コホートにおいて、 カットオフ値を3点以上とした場合に100%の感度を達成しており、 IEを見逃さないという点で優れた性能を示した¹⁾。
このスコアは、 NBHS菌血症における心エコー検査の適応を判断するための簡便なツールとして提案されている。 しかし、 原著論文の著者らも述べているように、 この研究は特定の地域で行われたものであり、 異なる医療環境や患者集団における有用性については、 さらなる外部検証が重要である¹⁾。
診断の限界: このスコアはあくまで臨床判断を補助するツールであり、 スコアが低い場合でも、 臨床医がIEを強く疑う他の所見 (例 : 新たな塞栓症状、 原因不明の持続する発熱など) がある場合には、 心エコー検査を躊躇すべきではない¹⁾。
対象患者の限定: 原著研究では、 18歳未満の患者、 好中球減少症の患者、 カルテ情報が利用できない患者は除外されている¹⁾。 これらの患者群への適用の妥当性は不明である。 特に好中球減少症患者におけるNBHS菌血症はIEのリスクが低いと考えられているが、 本スコアの評価対象外である¹⁾。
🔢 NOVAスコア
最終更新 : 2025年5月11日
監修医師 : 聖路加国際病院救急部 清水真人
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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