厚生労働省作成の概要 / 診断基準等及び臨床調査個人票はこちらよりご確認いただけます

厚生労働省. 指定難病の概要､ 診断基準等､ 臨床調査個人票 (告示番号1~348) ※令和7年4月1日より適用 へ遷移します

PDAIとは？

Pemphigus Disease Area Indexの略で､ 天疱瘡の国際的重症度基準のひとつである¹⁾²⁾｡ PDAIに準じた重症度判定基準にはIIa (完全版)､ IIb (簡易版) が知られているが､ 本邦の厚労省指定難病申請における重症度分類では前者が用いられている¹⁾｡ 本ツールもPDAI重症度判定基準IIa (完全版) に準じて作成されている｡

厚生労働省指定難病の申請にはPDAIの記載が必須で､ ｢中等症以上｣ が対象となる¹⁾｡

スコア

以下の各部位についてそれぞれ点数をつけ､ ①から③までの合計値を算出する (0~250点)｡

❶ 皮膚 : びらん/水疱または新しい紅斑

• なし +0点
• 1~3個かつ長径 ≧ 2cmの皮疹1個以下 +1点
• 2~3個かつ長径 ≧ 2cmの皮疹2個以上 +2点
• 4個以上かつ長径 ≧ 6cmの皮疹なし +3点
• 長径 ≧ 6 cmの皮疹1個以上 +5点
• 長径 ≧ 16cmの皮疹1個以上 または 領域全体に認める +10点

＊上皮化した部分や炎症後の色素沈着は含まない

部位 : 耳､ 鼻､ 顔 (耳･鼻を除く)､ 頚部､ 胸部､ 腹部､ 背部･臀部､ 上肢､ 手､ 下肢､ 足､ 陰部

❷ 頭皮 : びらん/水疱または新しい紅斑

• なし +0点
• 1/4領域に皮疹が限局 +1点
• 1/2領域に皮疹が限局 +2点
• 3/4領域に皮疹が限局 +3点
• 頭皮全体に認める +4点
• 少なくとも長径6cmの皮疹 1個以上 +10点

部位 : 頭皮

❸ 粘膜 : びらん/水疱

• なし +0点
• 1 個 +1点
• 2~3個 +2点
• 4個以上または長径≧2cmの粘膜疹 2個以上 +5点
• 領域全体に認める +10点

部位 : 眼､ 鼻腔､ 頬粘膜､ 硬口蓋､ 軟口蓋､ 上歯肉､ 下歯肉､ 舌､ 口腔底､ 口唇､ 後咽頭､ 外陰部

PDAIの合計 (❶+❷+❸)

≦ 8点: 軽症 9~24点 : 中等症 ≧ 25点 : 重症

使用上の注意

※指定難病の概要､ 診断基準等､ 臨床調査個人票 (告示番号1~348) ※令和7年4月1日より適用 ｢指定難病35 天疱瘡｣における診断基準及び重症度分類の適応における留意事項¹⁾

1. 病名診断に用いる臨床症状､ 検査所見等に関して､ 診断基準上に特段の規定がない場合には､ いずれの時期のものを用いても差し支えない (ただし､ 当該疾病の経過を示す臨床症状等であって､ 確認可能なものに限る｡ )｡

2. 治療開始後における重症度分類については､ 適切な医学的管理の下で治療が行われている状態であって､ 直近6か月間で最も悪い状態を医師が判断することとする｡

3. なお､ 症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが､ 高額な医療を継続することが必要なものについては､ 医療費助成の対象とする｡

出典

1. 厚生労働省. 指定難病の概要､ 診断基準等､ 臨床調査個人票 (告示番号1~348) ※令和7年4月1日より適用  ｢指定難病35 天疱瘡｣
2. 天疱瘡診療ガイドライン作成委員会. ｢天疱瘡診療ガイドライン｣『日皮会誌』. 2010:120 (7), 1443-1460

最終更新 : 2025年5月20日

監修医師 : HOKUTO編集部医師