SSCガイドラインは敗血症性ショックの一般的な管理を提供するが、個別化の観点からは不十分である。ショックの病期に応じて、救命段階では輸液蘇生と血管圧亢進薬の投与、最適化期では組織灌流の最適化、安定期と脱髄期では最小限の輸液と安全な除水が必要である。初期蘇生後の輸液戦略については論争があり、個別の管理が求められる。血管圧迫薬の最適投与時期は不明だが、早期投与が有効である可能性がある。また、心収縮力低下による組織灌流障害には強心薬の投与、難治性敗血症性ショックには静脈-動脈ECMOの考慮が必要である。

本論文は、敗血症性ショックの血行動態管理についての最新情報を提供している。しかし、血管圧迫薬の最適投与時期や輸液戦略についての論争は未解決である。これらの問題は、個々の患者に対する最適な治療戦略を決定するために、さらなる研究が必要である。