非小細胞肺癌(NSCLC)の脳転移(BM)は予後不良の難問だ。本研究では、原発腫瘍、BM、血漿、脳脊髄液(CSF)から得られた一致した材料を用いて、複数のNSCLC患者にわたる研究を行った。CSFと血漿中のctDNAとエクソソームRNAについて、濃縮ベースの標的次世代シーケンサーによる解析を行い、固形腫瘍区画との結果を比較した。結果、原発性肺腫瘍とBMの間でバリアントが高度に重複していることが観察された。BM/CSFコンパートメントに特異的な変異も確認された。

本研究は、リキッドバイオプシーとしてのCSFを用いた新たなアプローチを提示している。BM生検の代替となりうる可能性が示されたが、さらなる検証が必要だ。また、BM/CSFコンパートメントに特異的な変異が個別に調整された治療の標的となりうることは、新たな治療戦略の開発に寄与するだろう。