バンコマイシンの治療薬物モニタリング（TDM）におけるエリアアンダーカーブ（AUC）ガイドとトラフガイドの比較研究。57件の研究をレビューし、AUCガイド下のTDMがトラフガイド下のTDMよりも腎毒性が低いことを示した。AUCガイド下のTDMの腎毒性の有病率は6.2％で、トラフガイド下のTDMは17.0％だった。AUCガイドは腎毒性のリスクが低く、米国医療システム薬剤師会のガイドラインを支持する結果となった。

このメタアナリシスは、バンコマイシンのTDMにおけるAUCガイドとトラフガイドの比較を行い、AUCガイドの方が腎毒性が低いと結論づけた。しかし、AUC導出法の影響は評価されておらず、また、AUC閾値と腎毒性との相関は治療開始後96時間以内のみであった。これらの点を考慮に入れると、さらなる研究が必要と考えられる。