高齢者における誤嚥性肺炎の抗菌治療に関する文献を系統的にレビューし、微生物学的特徴を明らかにすることを目的とした。EMBASE、MEDLINE、Cochraneの各データベースから検索したが、決定的な臨床試験やプラセボ対照試験、メタアナリシスは存在しなかった。選択された8つの研究の大部分は広域スペクトルの抗生物質を利用し、特定の抗菌薬に優れた有効性を示す証拠はなかった。嫌気性菌の分離頻度は低く、誤嚥性肺炎の病原体としての重要性は低いことが示唆された。

高齢者の誤嚥性肺炎における抗菌治療に関するエビデンスは限られており、特定の抗菌薬に優れた有効性を示す証拠は見つかっていない。今後、高齢者の誤嚥性肺炎の治療に関するエビデンスベースを提供する研究が必要である。