乳がん治療において、線量密度が高い化学療法の生存利益について矛盾する報告がある。本メタアナリシスでは、7つの研究（5つの試験）を対象に、純粋な線量密度が高い化学療法の有効性と安全性を評価した。結果として、無病生存期間（DFS）は線量密度が高い化学療法が有利であったが、全生存期間（OS）については利益は限定的であった。ただし、リンパ節転移陽性患者においては、有意なOSベネフィットが認められた。一方、線量密度が高い化学療法群では、貧血、疼痛、トランスアミナーゼ上昇の発生率が高かった。

このメタアナリシスは、乳がんにおける純粋な線量密度が高い化学療法の有効性と安全性について示唆を提供している。特にリンパ節転移陽性患者においては、有意なOSベネフィットが認められた。しかし、線量密度が高い化学療法の最良の候補を明確にするためには、さらなるランダム化比較試験が必要である。