計算
概要
監修医師

腎障害時の用量調整

CrCl1回投与量投与間隔
0~400mg24時間ごと
血液透析
400mg 24時間ごと (腎機能調節不要)
性別
kg
mg/dL
出典と注意点
サンフォード抗菌薬ガイド2020
CrCl
--
ml/min
モキシフロキサシン
MFLX(アベロックス®)

ポイント

  • LVFXに比して、 多少の嫌気性菌への活性を有するが緑膿菌への活性は低い.
  • 半減期が長いため1日1回の投与でOK.
  • 副作用はQT延長が重要で、 投与前にチェック.
  • 経口吸収率(約90%) 、 組織移行性が良好.

どんな細菌に効くの?

モキシフロキサシン
  • 肺炎球菌・MSSAを中心にグラム陽性球菌に幅広く活性を有する.
  • 緑膿菌を除くグラム陰性桿菌を幅広くカバーする (ただし不適切使用により大腸菌など耐性増加に注意).
  • Mycoplasma、Chlamydophila、Legionellaなどの非定型肺炎の起因菌.
  • 近年耐性増加が問題となるMycoplasma genitalium尿道炎に対する選択薬の1つ (本邦ではシタフロキサシンが適応)
  • 肺結核・非結核性抗酸菌にも活性を有する.

日常臨床で使用する疾患例

本邦では使用頻度は少ない

  • 副鼻腔炎に対しての選択薬の1つ
  • 皮膚軟部組織感染症に対しての代替薬の1つ
  • Mycoplasma genitalium尿道炎に対する代替薬の1つ(※本邦ではシタフロキサシンが適応)
  • 非結核性抗酸菌症に対しての代替薬の1つ

臨床使用例

400mg 1日1回経口 ※腎機能調節不要

注意点

  • 金属イオン(Fe、 Mg、 Ca、 Al、 Znなど) とは間隔をあけて投与(キレートして吸収が落ちる)
  • ワルファリンとの併用でINRが延長するためモニターする.
  • リファンピシンとの併用で濃度が低下する(PMID: 17879915)
  • 結核菌に活性を有するため、結核を否定できないときにむやみに投与しない.
  • 薬剤耐性が増加しており乱用は厳禁.
  • Bacteroidesを中心とした嫌気性菌はカバーを有するが耐性の報告も多く信頼できない.

参考商品名

最終更新:2024年3月25日
監修医師:聖路加国際病院/MDアンダーソンがんセンター感染症科 松尾貴公

モキシフロキサシン
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
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監修・協力医一覧
モキシフロキサシン
モキシフロキサシン

モキシフロキサシン

MFLX(アベロックス®)
2021年11月19日更新

腎障害時の用量調整

CrCl1回投与量投与間隔
0~400mg24時間ごと
血液透析
400mg 24時間ごと (腎機能調節不要)
性別
kg
mg/dL
出典と注意点
サンフォード抗菌薬ガイド2020
CrCl
--
ml/min

概要

MFLX(アベロックス®)

ポイント

  • LVFXに比して、 多少の嫌気性菌への活性を有するが緑膿菌への活性は低い.
  • 半減期が長いため1日1回の投与でOK.
  • 副作用はQT延長が重要で、 投与前にチェック.
  • 経口吸収率(約90%) 、 組織移行性が良好.

どんな細菌に効くの?

モキシフロキサシン
  • 肺炎球菌・MSSAを中心にグラム陽性球菌に幅広く活性を有する.
  • 緑膿菌を除くグラム陰性桿菌を幅広くカバーする (ただし不適切使用により大腸菌など耐性増加に注意).
  • Mycoplasma、Chlamydophila、Legionellaなどの非定型肺炎の起因菌.
  • 近年耐性増加が問題となるMycoplasma genitalium尿道炎に対する選択薬の1つ (本邦ではシタフロキサシンが適応)
  • 肺結核・非結核性抗酸菌にも活性を有する.

日常臨床で使用する疾患例

本邦では使用頻度は少ない

  • 副鼻腔炎に対しての選択薬の1つ
  • 皮膚軟部組織感染症に対しての代替薬の1つ
  • Mycoplasma genitalium尿道炎に対する代替薬の1つ(※本邦ではシタフロキサシンが適応)
  • 非結核性抗酸菌症に対しての代替薬の1つ

臨床使用例

400mg 1日1回経口 ※腎機能調節不要

注意点

  • 金属イオン(Fe、 Mg、 Ca、 Al、 Znなど) とは間隔をあけて投与(キレートして吸収が落ちる)
  • ワルファリンとの併用でINRが延長するためモニターする.
  • リファンピシンとの併用で濃度が低下する(PMID: 17879915)
  • 結核菌に活性を有するため、結核を否定できないときにむやみに投与しない.
  • 薬剤耐性が増加しており乱用は厳禁.
  • Bacteroidesを中心とした嫌気性菌はカバーを有するが耐性の報告も多く信頼できない.

参考商品名

最終更新:2024年3月25日
監修医師:聖路加国際病院/MDアンダーソンがんセンター感染症科 松尾貴公

こちらの記事の監修医師
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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抗菌薬ガイド

抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬の腎機能別投与量の計算や、主な適応疾患、スペクトラムを確認することができます。監修は、MDアンダーソンがんセンター 兼 聖路加国際病院感染症科の松尾貴公先生。

※薬剤選択時には、必ず添付文書および最新安全性情報も併せてご確認下さい。