CrCl | 1回投与量 | 投与間隔 |
---|---|---|
0~ | 600mg | 12時間ごと |
血液透析 |
---|
血液透析患者で調整は不要だが、透析日は透析後投与. なお、PKモデル研究では推算GFR<60mL/分の患者では、300mg12時間ごとへの減量により血小板減少症のリスクが低下し、有効性は維持されることが予想された. 可能ならば、目標ピーク値2~8μg/mLの達成を確認すること (出典2) |
LZD (ザイボックス®)
ー 「MRSA」 に対する代替薬の1つである
ー 副作用は 「血小板減少」 が有名である
ー 「薬価が高い」ことが難点である
ー 「髄液移行性」 が良好である
ー 「生物学的利用率」 も100%と良好である
- MRSAを中心としたGPCに活性あり
- MSSA、肺炎球菌、VRE*にも活性を有する
- リステリアにも活性を有する
VCMとDAPが使用できなくなったときのMRSA感染症*に使用機会がある
MRSAによる肺炎¹⁾、 またMRSAによる髄膜炎に対する代替薬の1つである
VRE感染やリステリア症の第一選択薬の1つ
黄ブ菌や溶連菌による壊死性筋膜炎に対し、 CLDM併用不可の時の代替薬の1つ²⁾
非結核性抗酸菌症、 多剤耐性結核に対して使用することもある
1回 600mg 12時間毎 (1日2回)
※静注、経口ともに同様である.
副作用として 「血小板減少(骨髄抑制)」 が有名³⁾。
その他の副作用は低頻度だが、「乳酸アシドーシス⁴⁾」、 「末梢神経障害⁵⁾」、 「視神経症⁶⁾」など。
リネゾリドは、 特に SSRIなどのセロトニン系の抗うつ薬と併用すると 「セロトニン症候群」 のリスクが増加する⁷⁾。
ただし、 30-40%は腎排泄であり、 腎機能に応じて用量調整すべきとの報告も出てきている⁸⁾
黄色ブドウ球菌やA群β溶連菌のToxin合成を阻害する⁹⁾¹⁰⁾ことから、 黄色ブドウ球菌や溶連菌による壊死性筋膜炎に対して、 CLDMと同様の効果が期待できる可能性がある²⁾。
MRSA による肺炎は、 VCMと比較して非劣性の報告¹⁾ があり、 使用できる可能性がある。
多剤耐性結核患者の64%が末梢神経障害によりリネゾリドを中止したという報告がある¹¹⁾。 また、 約8割が中止後12ヵ月経過しても症状が残るという報告もあり、 患者さんのQOLに大きく寄与するために注意が必要である¹²⁾。
肥満患者において、 通常量では血中濃度の目標達成確率 (Probability of Target Attainment) が十分でない可能性が指摘されているが¹³⁾、 日本において高用量の保険適応はない。
最終更新 : 2024年10月21日
監修医師 : メイヨークリニック感染症科 松尾貴公
CrCl | 1回投与量 | 投与間隔 |
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0~ | 600mg | 12時間ごと |
血液透析 |
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血液透析患者で調整は不要だが、透析日は透析後投与. なお、PKモデル研究では推算GFR<60mL/分の患者では、300mg12時間ごとへの減量により血小板減少症のリスクが低下し、有効性は維持されることが予想された. 可能ならば、目標ピーク値2~8μg/mLの達成を確認すること (出典2) |
LZD (ザイボックス®)
ー 「MRSA」 に対する代替薬の1つである
ー 副作用は 「血小板減少」 が有名である
ー 「薬価が高い」ことが難点である
ー 「髄液移行性」 が良好である
ー 「生物学的利用率」 も100%と良好である
- MRSAを中心としたGPCに活性あり
- MSSA、肺炎球菌、VRE*にも活性を有する
- リステリアにも活性を有する
VCMとDAPが使用できなくなったときのMRSA感染症*に使用機会がある
MRSAによる肺炎¹⁾、 またMRSAによる髄膜炎に対する代替薬の1つである
VRE感染やリステリア症の第一選択薬の1つ
黄ブ菌や溶連菌による壊死性筋膜炎に対し、 CLDM併用不可の時の代替薬の1つ²⁾
非結核性抗酸菌症、 多剤耐性結核に対して使用することもある
1回 600mg 12時間毎 (1日2回)
※静注、経口ともに同様である.
副作用として 「血小板減少(骨髄抑制)」 が有名³⁾。
その他の副作用は低頻度だが、「乳酸アシドーシス⁴⁾」、 「末梢神経障害⁵⁾」、 「視神経症⁶⁾」など。
リネゾリドは、 特に SSRIなどのセロトニン系の抗うつ薬と併用すると 「セロトニン症候群」 のリスクが増加する⁷⁾。
ただし、 30-40%は腎排泄であり、 腎機能に応じて用量調整すべきとの報告も出てきている⁸⁾
黄色ブドウ球菌やA群β溶連菌のToxin合成を阻害する⁹⁾¹⁰⁾ことから、 黄色ブドウ球菌や溶連菌による壊死性筋膜炎に対して、 CLDMと同様の効果が期待できる可能性がある²⁾。
MRSA による肺炎は、 VCMと比較して非劣性の報告¹⁾ があり、 使用できる可能性がある。
多剤耐性結核患者の64%が末梢神経障害によりリネゾリドを中止したという報告がある¹¹⁾。 また、 約8割が中止後12ヵ月経過しても症状が残るという報告もあり、 患者さんのQOLに大きく寄与するために注意が必要である¹²⁾。
肥満患者において、 通常量では血中濃度の目標達成確率 (Probability of Target Attainment) が十分でない可能性が指摘されているが¹³⁾、 日本において高用量の保険適応はない。
最終更新 : 2024年10月21日
監修医師 : メイヨークリニック感染症科 松尾貴公
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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・編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師
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・最新トピックに関する独自記事を配信中
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抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬の腎機能別投与量の計算や、主な適応疾患、スペクトラムを確認することができます。監修は、MDアンダーソンがんセンター 兼 聖路加国際病院感染症科の松尾貴公先生。
※薬剤選択時には、必ず添付文書および最新安全性情報も併せてご確認下さい。