計算
概要
監修医師

腎障害時の用量調整

CrCl1回投与量投与間隔
50~3g6時間ごと
30~503g6~8時間ごと
15~303g12時間ごと
0~153g24時間ごと
血液透析
3g 24時間ごと(透析日は透析後投与)
性別
kg
mg/dL
出典と注意点
サンフォード感染症治療ガイド2020
CrCl
--
ml/min
アンピシリン・スルバクタム
ABPC/SBT (ユナシン® ピスルシンなど)

ポイント

  • ABPCβラクタマーゼ阻害薬を配合.
  • グラム陽性菌に対して幅広いスペクトラム.
  • ABPC:SBT = 2g:1gが配合されている.
  • SBTは髄液移行性に乏しいため、 中枢神経感染症には使用できない.

どんな細菌に効くの?

アンピシリン・スルバクタム
  • βラクタマーゼ阻害を含むので、 MSSAや嫌気性菌にも活性あり.
  • H. influenzaeは、 βラクタマーゼを産生することが多く第一選択薬となり得る.
  • 腸球菌はE. faecalisには活性あるが、E. faeciumには活性なし.
  • 腸内細菌に効果があり、 胆管炎や虫垂炎、 腹腔内膿瘍などに対しての選択薬として記載があるが、耐性が増加しておりエンピリック治療としては望まれない.
  • SBTがAcinetobacter baumanniiに活性あり
  • MRSA、 緑膿菌には効かない.

日常臨床で使用する疾患例

  • 市中肺炎・誤嚥性肺炎に対する第一選択薬
  • 蜂窩織炎に対する選択薬の1つ
  • 動物・ヒト咬傷感染に対する第一選択薬
  • 感染性心内膜炎に対するエンピリック治療薬の一つ
  • 胆管炎•虫垂炎•腹腔内膿瘍に対する選択薬の1つ (感受性を確認する)

臨床使用例

  • 1回 3g 6時間毎(1日4回)
  • ABPCの量としては8g/日を含む

注意点

  • GNRのうち、 E.coli、 Klebsiella、 Proteus (腸内細菌) に対しては、 地域によるが30%程度耐性を有しており、 胆管炎や虫垂炎などの腹腔内感染症に対しては選択しにくい.
  • 副作用は皮疹腎機能障害血球減少など.
  • 腎排泄であり腎機能低下患者は要減量.

参考商品名

最終更新:2024年3月25日
監修医師 : メイヨークリニック感染症科 松尾貴公

アンピシリン・スルバクタム
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
アンピシリン・スルバクタム
アンピシリン・スルバクタム

アンピシリン・スルバクタム

ABPC/SBT(ユナシン、ピスルシン、スルバシリン®︎)
2022年06月20日更新

腎障害時の用量調整

CrCl1回投与量投与間隔
50~3g6時間ごと
30~503g6~8時間ごと
15~303g12時間ごと
0~153g24時間ごと
血液透析
3g 24時間ごと(透析日は透析後投与)
性別
kg
mg/dL
出典と注意点
サンフォード感染症治療ガイド2020
CrCl
--
ml/min

概要

ABPC/SBT (ユナシン® ピスルシンなど)

ポイント

  • ABPCβラクタマーゼ阻害薬を配合.
  • グラム陽性菌に対して幅広いスペクトラム.
  • ABPC:SBT = 2g:1gが配合されている.
  • SBTは髄液移行性に乏しいため、 中枢神経感染症には使用できない.

どんな細菌に効くの?

アンピシリン・スルバクタム
  • βラクタマーゼ阻害を含むので、 MSSAや嫌気性菌にも活性あり.
  • H. influenzaeは、 βラクタマーゼを産生することが多く第一選択薬となり得る.
  • 腸球菌はE. faecalisには活性あるが、E. faeciumには活性なし.
  • 腸内細菌に効果があり、 胆管炎や虫垂炎、 腹腔内膿瘍などに対しての選択薬として記載があるが、耐性が増加しておりエンピリック治療としては望まれない.
  • SBTがAcinetobacter baumanniiに活性あり
  • MRSA、 緑膿菌には効かない.

日常臨床で使用する疾患例

  • 市中肺炎・誤嚥性肺炎に対する第一選択薬
  • 蜂窩織炎に対する選択薬の1つ
  • 動物・ヒト咬傷感染に対する第一選択薬
  • 感染性心内膜炎に対するエンピリック治療薬の一つ
  • 胆管炎•虫垂炎•腹腔内膿瘍に対する選択薬の1つ (感受性を確認する)

臨床使用例

  • 1回 3g 6時間毎(1日4回)
  • ABPCの量としては8g/日を含む

注意点

  • GNRのうち、 E.coli、 Klebsiella、 Proteus (腸内細菌) に対しては、 地域によるが30%程度耐性を有しており、 胆管炎や虫垂炎などの腹腔内感染症に対しては選択しにくい.
  • 副作用は皮疹腎機能障害血球減少など.
  • 腎排泄であり腎機能低下患者は要減量.

参考商品名

最終更新:2024年3月25日
監修医師 : メイヨークリニック感染症科 松尾貴公

こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師

各領域の第一線の専門医が複数在籍

最新トピックに関する独自記事を配信中

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

抗菌薬ガイド

抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬の腎機能別投与量の計算や、主な適応疾患、スペクトラムを確認することができます。監修は、MDアンダーソンがんセンター 兼 聖路加国際病院感染症科の松尾貴公先生。

※薬剤選択時には、必ず添付文書および最新安全性情報も併せてご確認下さい。