概要
監修医師
PSCZ (ノクサフィル®︎)

ポイント

  • 侵襲性アスペルギルス症、 フサリウム症、 ムーコル症に幅広い適応を持つ糸状菌活性を持つトリアゾール系抗真菌薬
  • 造血幹細胞移植患者又は好中球減少が予測される血液悪性腫瘍患者における、 深在性真菌症の予防として第一選択になり得る
  • 他のトリアゾール系抗真菌薬と同様に肝障害やQTc延長には注意
  • CYP3A4を阻害するため相互作用に注意
  • 腎機能に関係なく同じ用量で投与が可能

どんな真菌に効くの?

  • アスペルギルス
  • ムーコル
  • フサリウムなど

日常臨床で使用する疾患例

  • 造血幹細胞移植患者又は好中球減少が予測される血液悪性腫瘍患者における深在性真菌症の予防
  • 侵襲性アスペルギルス症
  • 侵襲性ムーコル症
  • 侵襲性フサリウム症 など

臨床使用例

初回は1回300mgを1日2回

2日目以降は300mgを1日1回経口投与する

ノクサフィル®添付文書2024年5月改訂(第7版)より引用

投与期間はFNからの回復に基づき設定

添付文書では急性骨髄性白血病又は骨髄異形成症候群の患者では、 好中球減少症の発症が予測される数日前に本剤による予防を開始し、 好中球数が500cells/mm³以上に増加後、 7日間程度投与を継続との記載である。

ノクサフィル®添付文書2024年5月改訂(第7版)より引用

しかし、 実臨床では再発性/難治性白血病で好中球が回復しない場合は長期継続せざるを得ないことも多い。 また、 侵襲性糸状菌感染に対する初期治療により治癒が得られた後でも、 二次予防として本剤を長期継続する場合もある。 二次予防の具体的な投与終了時期に関しては臨床データが少ないのが現状であり、 個別に慎重に判断する必要がある。

⚠適応外使用を推奨するものではございません

注意点

  • 他のトリアゾールと同様に、 消化器症状 (嘔気・嘔吐・腹痛・下痢)、 肝障害には注意する
  • 鉱質コルチコイド過剰により低カリウム、 高血圧がみられることがある
11βヒドロキシラーゼ・11βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害による

その他

  • 安定した血中濃度 (定常状態) になるのに投与開始後 7-10日を要する
  • QTc延長には注意する >>計算する
  • 腎機能に関係なく同じ用量で投与が可能 
ただし、 CrCl<50の場合は添加剤スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンナトリウムが蓄積し腎機能が悪化する可能性があるため可能な限り控える
  • CYP3A4を阻害するため相互作用に注意

参考商品名

最終更新:2024年7月25日
監修医師 : メイヨークリニック感染症科 松尾貴公

ポサコナゾール
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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ポサコナゾール
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2024年07月25日更新

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ポイント

  • 侵襲性アスペルギルス症、 フサリウム症、 ムーコル症に幅広い適応を持つ糸状菌活性を持つトリアゾール系抗真菌薬
  • 造血幹細胞移植患者又は好中球減少が予測される血液悪性腫瘍患者における、 深在性真菌症の予防として第一選択になり得る
  • 他のトリアゾール系抗真菌薬と同様に肝障害やQTc延長には注意
  • CYP3A4を阻害するため相互作用に注意
  • 腎機能に関係なく同じ用量で投与が可能

どんな真菌に効くの?

  • アスペルギルス
  • ムーコル
  • フサリウムなど

日常臨床で使用する疾患例

  • 造血幹細胞移植患者又は好中球減少が予測される血液悪性腫瘍患者における深在性真菌症の予防
  • 侵襲性アスペルギルス症
  • 侵襲性ムーコル症
  • 侵襲性フサリウム症 など

臨床使用例

初回は1回300mgを1日2回

2日目以降は300mgを1日1回経口投与する

ノクサフィル®添付文書2024年5月改訂(第7版)より引用

投与期間はFNからの回復に基づき設定

添付文書では急性骨髄性白血病又は骨髄異形成症候群の患者では、 好中球減少症の発症が予測される数日前に本剤による予防を開始し、 好中球数が500cells/mm³以上に増加後、 7日間程度投与を継続との記載である。

ノクサフィル®添付文書2024年5月改訂(第7版)より引用

しかし、 実臨床では再発性/難治性白血病で好中球が回復しない場合は長期継続せざるを得ないことも多い。 また、 侵襲性糸状菌感染に対する初期治療により治癒が得られた後でも、 二次予防として本剤を長期継続する場合もある。 二次予防の具体的な投与終了時期に関しては臨床データが少ないのが現状であり、 個別に慎重に判断する必要がある。

⚠適応外使用を推奨するものではございません

注意点

  • 他のトリアゾールと同様に、 消化器症状 (嘔気・嘔吐・腹痛・下痢)、 肝障害には注意する
  • 鉱質コルチコイド過剰により低カリウム、 高血圧がみられることがある
11βヒドロキシラーゼ・11βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害による

その他

  • 安定した血中濃度 (定常状態) になるのに投与開始後 7-10日を要する
  • QTc延長には注意する >>計算する
  • 腎機能に関係なく同じ用量で投与が可能 
ただし、 CrCl<50の場合は添加剤スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンナトリウムが蓄積し腎機能が悪化する可能性があるため可能な限り控える
  • CYP3A4を阻害するため相互作用に注意

参考商品名

最終更新:2024年7月25日
監修医師 : メイヨークリニック感染症科 松尾貴公

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抗菌薬ガイド

抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬の腎機能別投与量の計算や、主な適応疾患、スペクトラムを確認することができます。監修は、MDアンダーソンがんセンター 兼 聖路加国際病院感染症科の松尾貴公先生。

※薬剤選択時には、必ず添付文書および最新安全性情報も併せてご確認下さい。