概要
監修医師
GCV ホスカルネット (ホスカビル®︎)

ポイント

  • 造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症および感染症に対する治療薬としてガンシクロビル (詳細はこちら)と共に選択薬の1つである
  • 腎機能障害や電解質異常 (低K血症、 低Ca血症、 低Mg血症) を来しやすいため、 慎重なモニタリングが必要である
  • ヒトヘルペスウイルス6 (HHV6) に対しても活性を有するため、 造血幹細胞移植後のHHV-6脳炎の治療にも使用される

どんなウイルスに効くの?

⭕ サイトメガロウイルス (CMV)

⭕ ヒトヘルペスウイルス6 (HHV-6)

日常臨床で使用する疾患例

  • 造血幹細胞移植患者におけるCMV血症および感染症
  • 造血幹細胞移植後のHHV-6脳炎
  • 後天性免疫不全症候群 (エイズ) 患者におけるCMV網膜炎

臨床使用例

本邦の添付文書においては、 適応により用法・用量が異なる (末尾参照) が、 実際には90 mg/kg IV 12時間ごと、 または60mg/kg IV 8時間ごとで投与することが多い。
⚠保険用量と異なる使用を推奨するものではありません。 患者の病態や、 実際の薬剤情報、 ガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

造血幹細胞移植患者におけるCMV感染症、 後天性免疫不全症候群 (エイズ) 患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎

導入療法 : 90mg/kg (2時間以上かけて) IV 12時間ごと、 または60mg/kg (1時間以上かけて) IV 8時間ごとに2~3週間

維持療法 : 90–120mg/kg (2時間以上かけて) IV 24時間ごと

※CrCl (CrCl) に基づいて用量調整が必要

監修:メイヨークリニック感染症科 松尾貴公

注意点

  • 好中球減少はG-CSFまたはGM-CSFを用いて対処することも考慮する
  • 耐性機序としてはUL97、 UL54変異が有名
  • 以前は造血幹細胞移植患者のpre-emptive therapyとして頻用されていたが、 レテルモビル (CMV予防薬) の登場により使用頻度は減ってきている
  • 副作用としては、 催奇形性、 精子形成の低下、 発癌性が指摘されている

参考商品名

点滴静注用ホスカビル注24mg/mL

最終更新 : 2024年10月21日
メイヨークリニック感染症科 松尾貴公

参考 : 電子添文より引用

後天性免疫不全症候群 (エイズ) 患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎、 造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症

初期療法 : 通常、 ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり60mgを、 1時間以上かけて8時間ごとに1日3回、 又は1回体重1kgあたり90mgを、 2時間以上かけて12時間ごとに1日2回、 それぞれ点滴静注する。 なお、 初期療法は2~3週間以上行う。

維持療法 : 初期療法に続く維持療法には、 通常、 ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり90~120mgを2時間以上かけて1日1回点滴静注する。

維持療法中に再発が認められた場合は、 初期療法の用法・用量により再投与することができる。

造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症

初期療法 : 通常、 ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり60mgを、 1時間以上かけて12時間ごとに1日2回点滴静注する。 初期療法は1~2週間以上行う。

維持療法 : 通常、 ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり90~120mgを2時間以上かけて1日1回点滴静注する。

維持療法中に再発が認められた場合は、 初期療法の用法・用量により再投与することができる。

造血幹細胞移植後のヒトヘルペスウイルス6脳炎

通常、 ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり60mgを、 1時間以上かけて8時間ごとに1日3回点滴静注する。

なお、 本剤による腎障害を軽減するため、 本剤による治療中には水分補給を十分に行い、 利尿を確保すること。

腎機能に応じた1回投与量調節ガイド

❶ 後天性免疫不全症候群 (エイズ) 患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎、 造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症

■初期療法

a. CrCl>1.4mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日;点滴時間1時間以上の場合1日3回 (8時間毎) 1回投与量60mg/kg、 点滴時間2時間以上の場合1日2回 (12時間毎) 1回投与量90mg/kg。

b. 1.4mL/分/kg≧CrCl>1mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日;点滴時間1時間以上の場合1日3回 (8時間毎) 1回投与量45mg/kg、 点滴時間2時間以上の場合1日2回 (12時間毎) 1回投与量70mg/kg。

c. 1mL/分/kg≧CrCl>0.8mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日;点滴時間1時間以上の場合1日3回 (8時間毎) 1回投与量35mg/kg、 点滴時間2時間以上の場合1日2回 (12時間毎) 1回投与量50mg/kg。

d. 0.8mL/分/kg≧CrCl>0.6mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日;点滴時間1時間以上の場合1日2回 (12時間毎) 1回投与量40mg/kg、 点滴時間2時間以上の場合1日1回 (24時間毎) 1回投与量80mg/kg。

e. 0.6mL/分/kg≧CrCl>0.5mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日;点滴時間1時間以上の場合1日2回 (12時間毎) 1回投与量30mg/kg、 点滴時間2時間以上の場合1日1回 (24時間毎) 1回投与量60mg/kg。

f. 0.5mL/分/kg≧CrCl≧0.4mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日;点滴時間1時間以上の場合1日2回 (12時間毎) 1回投与量25mg/kg、 点滴時間2時間以上の場合1日1回 (24時間毎) 1回投与量50mg/kg。

g. 0.4mL/分/kg>CrCl : 投与しないこと。

■維持療法 :

a. CrCl>1.4mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量90mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量120mg/kg。

b. 1.4mL/分/kg≧CrCl>1mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量70mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量90mg/kg。

c. 1mL/分/kg≧CrCl>0.8mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量50mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量65mg/kg。

d. 0.8mL/分/kg≧CrCl>0.6mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量80mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量105mg/kg。

e. 0.6mL/分/kg≧CrCl>0.5mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量60mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量80mg/kg。

f. 0.5mL/分/kg≧CrCl≧0.4mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量50mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量65mg/kg。

g. 0.4mL/分/kg>CrCl : 投与しないこと。

❷造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症

■初期療法

a. CrCl>1.4mL/分/kg : 通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日2回 (12時間毎) 1回投与量60mg/kg。

b. 1.4mL/分/kg≧CrCl>1mL/分/kg : 通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日2回 (12時間毎) 1回投与量45mg/kg。

c. 1mL/分/kg≧CrCl>0.8mL/分/kg : 通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日2回 (12時間毎) 1回投与量35mg/kg。

d. 0.8mL/分/kg≧CrCl>0.6mL/分/kg : 通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日2回 (12時間毎) 1回投与量25mg/kg。

e. 0.6mL/分/kg≧CrCl>0.5mL/分/kg : 通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日2回 (12時間毎) 1回投与量20mg/kg。

f. 0.5mL/分/kg≧CrCl≧0.4mL/分/kg : 通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日2回 (12時間毎) 1回投与量15mg/kg。

g. 0.4mL/分/kg>CrCl : 投与しないこと。

■維持療法

a. CrCl>1.4mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量90mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量120mg/kg。

b. 1.4mL/分/kg≧CrCl>1mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量70mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量90mg/kg。

c. 1mL/分/kg≧CrCl>0.8mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量50mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量65mg/kg。

d. 0.8mL/分/kg≧CrCl>0.6mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量80mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量105mg/kg。

e. 0.6mL/分/kg≧CrCl>0.5mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量60mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量80mg/kg。

f. 0.5mL/分/kg≧CrCl≧0.4mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量50mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量65mg/kg。

g. 0.4mL/分/kg>CrCl : 投与しないこと。

❸造血幹細胞移植後のヒトヘルペスウイルス6脳炎

@. CrCl>1.4mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日3回 (8時間毎) 1回投与量60mg/kg。

A. 1.4mL/分/kg≧CrCl>1mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日3回 (8時間毎) 1回投与量45mg/kg。

B. 1mL/分/kg≧CrCl>0.8mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日3回 (8時間毎) 1回投与量35mg/kg。

C. 0.8mL/分/kg≧CrCl>0.6mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日3回 (8時間毎) 1回投与量25mg/kg。

D. 0.6mL/分/kg≧CrCl>0.5mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日3回 (8時間毎) 1回投与量20mg/kg。

E. 0.5mL/分/kg≧CrCl≧0.4mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日3回 (8時間毎) 1回投与量15mg/kg。

F. 0.4mL/分/kg>CrCl : 投与しないこと。

本用量調節ガイドを使用するには、 CrCl実測値 (mL/分) を体重 (kg) で除すか、 血清クレアチニン値 (mg/100mL) を用いて次記の計算式により、 推定CrCl値を求める。 ただし、 あくまでも推定値であるので、 重症の腎障害症例においては必ずCrClを測定すること。

[CrCl計算式]

(男性) CrCl (mL/分/kg) = (140-年齢) ÷ (72×血清クレアチニン [mg/100mL] )。

(女性) CrCl (mL/分/kg) = (140-年齢) ×0.85÷ (72×血清クレアチニン [mg/100mL] )。

ホスカルネット
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
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FOS (ホスカビル®︎)
2024年10月21日更新

概要

GCV ホスカルネット (ホスカビル®︎)

ポイント

  • 造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症および感染症に対する治療薬としてガンシクロビル (詳細はこちら)と共に選択薬の1つである
  • 腎機能障害や電解質異常 (低K血症、 低Ca血症、 低Mg血症) を来しやすいため、 慎重なモニタリングが必要である
  • ヒトヘルペスウイルス6 (HHV6) に対しても活性を有するため、 造血幹細胞移植後のHHV-6脳炎の治療にも使用される

どんなウイルスに効くの?

⭕ サイトメガロウイルス (CMV)

⭕ ヒトヘルペスウイルス6 (HHV-6)

日常臨床で使用する疾患例

  • 造血幹細胞移植患者におけるCMV血症および感染症
  • 造血幹細胞移植後のHHV-6脳炎
  • 後天性免疫不全症候群 (エイズ) 患者におけるCMV網膜炎

臨床使用例

本邦の添付文書においては、 適応により用法・用量が異なる (末尾参照) が、 実際には90 mg/kg IV 12時間ごと、 または60mg/kg IV 8時間ごとで投与することが多い。
⚠保険用量と異なる使用を推奨するものではありません。 患者の病態や、 実際の薬剤情報、 ガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

造血幹細胞移植患者におけるCMV感染症、 後天性免疫不全症候群 (エイズ) 患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎

導入療法 : 90mg/kg (2時間以上かけて) IV 12時間ごと、 または60mg/kg (1時間以上かけて) IV 8時間ごとに2~3週間

維持療法 : 90–120mg/kg (2時間以上かけて) IV 24時間ごと

※CrCl (CrCl) に基づいて用量調整が必要

監修:メイヨークリニック感染症科 松尾貴公

注意点

  • 好中球減少はG-CSFまたはGM-CSFを用いて対処することも考慮する
  • 耐性機序としてはUL97、 UL54変異が有名
  • 以前は造血幹細胞移植患者のpre-emptive therapyとして頻用されていたが、 レテルモビル (CMV予防薬) の登場により使用頻度は減ってきている
  • 副作用としては、 催奇形性、 精子形成の低下、 発癌性が指摘されている

参考商品名

点滴静注用ホスカビル注24mg/mL

最終更新 : 2024年10月21日
メイヨークリニック感染症科 松尾貴公

参考 : 電子添文より引用

後天性免疫不全症候群 (エイズ) 患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎、 造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症

初期療法 : 通常、 ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり60mgを、 1時間以上かけて8時間ごとに1日3回、 又は1回体重1kgあたり90mgを、 2時間以上かけて12時間ごとに1日2回、 それぞれ点滴静注する。 なお、 初期療法は2~3週間以上行う。

維持療法 : 初期療法に続く維持療法には、 通常、 ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり90~120mgを2時間以上かけて1日1回点滴静注する。

維持療法中に再発が認められた場合は、 初期療法の用法・用量により再投与することができる。

造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症

初期療法 : 通常、 ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり60mgを、 1時間以上かけて12時間ごとに1日2回点滴静注する。 初期療法は1~2週間以上行う。

維持療法 : 通常、 ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり90~120mgを2時間以上かけて1日1回点滴静注する。

維持療法中に再発が認められた場合は、 初期療法の用法・用量により再投与することができる。

造血幹細胞移植後のヒトヘルペスウイルス6脳炎

通常、 ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり60mgを、 1時間以上かけて8時間ごとに1日3回点滴静注する。

なお、 本剤による腎障害を軽減するため、 本剤による治療中には水分補給を十分に行い、 利尿を確保すること。

腎機能に応じた1回投与量調節ガイド

❶ 後天性免疫不全症候群 (エイズ) 患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎、 造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症

■初期療法

a. CrCl>1.4mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日;点滴時間1時間以上の場合1日3回 (8時間毎) 1回投与量60mg/kg、 点滴時間2時間以上の場合1日2回 (12時間毎) 1回投与量90mg/kg。

b. 1.4mL/分/kg≧CrCl>1mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日;点滴時間1時間以上の場合1日3回 (8時間毎) 1回投与量45mg/kg、 点滴時間2時間以上の場合1日2回 (12時間毎) 1回投与量70mg/kg。

c. 1mL/分/kg≧CrCl>0.8mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日;点滴時間1時間以上の場合1日3回 (8時間毎) 1回投与量35mg/kg、 点滴時間2時間以上の場合1日2回 (12時間毎) 1回投与量50mg/kg。

d. 0.8mL/分/kg≧CrCl>0.6mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日;点滴時間1時間以上の場合1日2回 (12時間毎) 1回投与量40mg/kg、 点滴時間2時間以上の場合1日1回 (24時間毎) 1回投与量80mg/kg。

e. 0.6mL/分/kg≧CrCl>0.5mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日;点滴時間1時間以上の場合1日2回 (12時間毎) 1回投与量30mg/kg、 点滴時間2時間以上の場合1日1回 (24時間毎) 1回投与量60mg/kg。

f. 0.5mL/分/kg≧CrCl≧0.4mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日;点滴時間1時間以上の場合1日2回 (12時間毎) 1回投与量25mg/kg、 点滴時間2時間以上の場合1日1回 (24時間毎) 1回投与量50mg/kg。

g. 0.4mL/分/kg>CrCl : 投与しないこと。

■維持療法 :

a. CrCl>1.4mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量90mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量120mg/kg。

b. 1.4mL/分/kg≧CrCl>1mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量70mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量90mg/kg。

c. 1mL/分/kg≧CrCl>0.8mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量50mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量65mg/kg。

d. 0.8mL/分/kg≧CrCl>0.6mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量80mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量105mg/kg。

e. 0.6mL/分/kg≧CrCl>0.5mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量60mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量80mg/kg。

f. 0.5mL/分/kg≧CrCl≧0.4mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量50mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量65mg/kg。

g. 0.4mL/分/kg>CrCl : 投与しないこと。

❷造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症

■初期療法

a. CrCl>1.4mL/分/kg : 通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日2回 (12時間毎) 1回投与量60mg/kg。

b. 1.4mL/分/kg≧CrCl>1mL/分/kg : 通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日2回 (12時間毎) 1回投与量45mg/kg。

c. 1mL/分/kg≧CrCl>0.8mL/分/kg : 通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日2回 (12時間毎) 1回投与量35mg/kg。

d. 0.8mL/分/kg≧CrCl>0.6mL/分/kg : 通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日2回 (12時間毎) 1回投与量25mg/kg。

e. 0.6mL/分/kg≧CrCl>0.5mL/分/kg : 通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日2回 (12時間毎) 1回投与量20mg/kg。

f. 0.5mL/分/kg≧CrCl≧0.4mL/分/kg : 通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日2回 (12時間毎) 1回投与量15mg/kg。

g. 0.4mL/分/kg>CrCl : 投与しないこと。

■維持療法

a. CrCl>1.4mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量90mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量120mg/kg。

b. 1.4mL/分/kg≧CrCl>1mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量70mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量90mg/kg。

c. 1mL/分/kg≧CrCl>0.8mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量50mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 1日1回 (24時間毎) 1回投与量65mg/kg。

d. 0.8mL/分/kg≧CrCl>0.6mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量80mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量105mg/kg。

e. 0.6mL/分/kg≧CrCl>0.5mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量60mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量80mg/kg。

f. 0.5mL/分/kg≧CrCl≧0.4mL/分/kg : 通常投与量90mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量50mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、 点滴時間2時間以上、 2日に1回 (48時間毎) 1回投与量65mg/kg。

g. 0.4mL/分/kg>CrCl : 投与しないこと。

❸造血幹細胞移植後のヒトヘルペスウイルス6脳炎

@. CrCl>1.4mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日3回 (8時間毎) 1回投与量60mg/kg。

A. 1.4mL/分/kg≧CrCl>1mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日3回 (8時間毎) 1回投与量45mg/kg。

B. 1mL/分/kg≧CrCl>0.8mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日3回 (8時間毎) 1回投与量35mg/kg。

C. 0.8mL/分/kg≧CrCl>0.6mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日3回 (8時間毎) 1回投与量25mg/kg。

D. 0.6mL/分/kg≧CrCl>0.5mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日3回 (8時間毎) 1回投与量20mg/kg。

E. 0.5mL/分/kg≧CrCl≧0.4mL/分/kg : 通常投与量180mg/kg/日、 点滴時間1時間以上、 1日3回 (8時間毎) 1回投与量15mg/kg。

F. 0.4mL/分/kg>CrCl : 投与しないこと。

本用量調節ガイドを使用するには、 CrCl実測値 (mL/分) を体重 (kg) で除すか、 血清クレアチニン値 (mg/100mL) を用いて次記の計算式により、 推定CrCl値を求める。 ただし、 あくまでも推定値であるので、 重症の腎障害症例においては必ずCrClを測定すること。

[CrCl計算式]

(男性) CrCl (mL/分/kg) = (140-年齢) ÷ (72×血清クレアチニン [mg/100mL] )。

(女性) CrCl (mL/分/kg) = (140-年齢) ×0.85÷ (72×血清クレアチニン [mg/100mL] )。

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抗菌薬ガイド

抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬の腎機能別投与量の計算や、主な適応疾患、スペクトラムを確認することができます。監修は、MDアンダーソンがんセンター 兼 聖路加国際病院感染症科の松尾貴公先生。

※薬剤選択時には、必ず添付文書および最新安全性情報も併せてご確認下さい。