概要
監修医師
TOL/TAZ (ザバクサ®)

ポイント

  • 耐性緑膿菌に対するカルバペネム温存のための切り札としての選択肢
  • 抗緑膿菌用セファロスポリン 「セフタジジム」 (第3世代セファロスポリン) と類似の構造
  • Bacteroides non-fragilisを中心とした嫌気性菌の一部に抗菌活性が確認されなかったことから、 嫌気性菌に単独では使用できない

どんな細菌に効くの?

セフトロザン・タゾバクタム
  • 耐性緑膿菌に有効 (AmpCに安定、 efflux pumpの影響を受けにくい、 porin channelの変化による影響を受けにくいなど)
  • 嫌気性菌に単独では使用できない
  • ESBL産生菌にも抗菌活性を有するが、 十分な有効なデータに乏しく第一選択にはならない
  • グラム陽性球菌に対しては活性が乏しい

日常臨床で使用する疾患例

肺炎、 腹腔内膿瘍、 胆嚢炎、 肝膿瘍、 腹膜炎、 腎盂腎炎

臨床使用例

膀胱炎、 腎盂腎炎、 腹膜炎、 腹腔内膿瘍、 胆嚢炎、 肝膿瘍

1回 1.5g (タゾバクタム 0.5g/セフトロザン 1g) 8時間毎 (1日3回)

敗血症、 肺炎

1回 3g (タゾバクタム 1g/セフトロザン 2g) 8時間毎 (1日3回)

注意点

  • 腎機能による調整が必要である
  • セファロスポリンアレルギーには注意

参考商品名

ザバクサ®配合点滴静注用1.5g

出典

1) New Perspectives on Antimicrobial Agents: Ceftolozane-Tazobactam. Antimicrob Agents Chemother. 2021 Jun 17;65(7):e0231820. PMID: 33875428

2) Pseudomonas aeruginosa ceftolozane-tazobactam resistance development requires multiple mutations leading to overexpression and structural modification of AmpC. Antimicrob Agents Chemother. 2014 Jun;58(6):3091-9. PMID: 24637685

最終更新:2024年3月19日
監修医師 : メイヨークリニック感染症科 松尾貴公

セフトロザン・タゾバクタム
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
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監修・協力医一覧
セフトロザン・タゾバクタム
セフトロザン・タゾバクタム

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TOL/TAZ (ザバクサ®)
2024年03月03日更新

概要

TOL/TAZ (ザバクサ®)

ポイント

  • 耐性緑膿菌に対するカルバペネム温存のための切り札としての選択肢
  • 抗緑膿菌用セファロスポリン 「セフタジジム」 (第3世代セファロスポリン) と類似の構造
  • Bacteroides non-fragilisを中心とした嫌気性菌の一部に抗菌活性が確認されなかったことから、 嫌気性菌に単独では使用できない

どんな細菌に効くの?

セフトロザン・タゾバクタム
  • 耐性緑膿菌に有効 (AmpCに安定、 efflux pumpの影響を受けにくい、 porin channelの変化による影響を受けにくいなど)
  • 嫌気性菌に単独では使用できない
  • ESBL産生菌にも抗菌活性を有するが、 十分な有効なデータに乏しく第一選択にはならない
  • グラム陽性球菌に対しては活性が乏しい

日常臨床で使用する疾患例

肺炎、 腹腔内膿瘍、 胆嚢炎、 肝膿瘍、 腹膜炎、 腎盂腎炎

臨床使用例

膀胱炎、 腎盂腎炎、 腹膜炎、 腹腔内膿瘍、 胆嚢炎、 肝膿瘍

1回 1.5g (タゾバクタム 0.5g/セフトロザン 1g) 8時間毎 (1日3回)

敗血症、 肺炎

1回 3g (タゾバクタム 1g/セフトロザン 2g) 8時間毎 (1日3回)

注意点

  • 腎機能による調整が必要である
  • セファロスポリンアレルギーには注意

参考商品名

ザバクサ®配合点滴静注用1.5g

出典

1) New Perspectives on Antimicrobial Agents: Ceftolozane-Tazobactam. Antimicrob Agents Chemother. 2021 Jun 17;65(7):e0231820. PMID: 33875428

2) Pseudomonas aeruginosa ceftolozane-tazobactam resistance development requires multiple mutations leading to overexpression and structural modification of AmpC. Antimicrob Agents Chemother. 2014 Jun;58(6):3091-9. PMID: 24637685

最終更新:2024年3月19日
監修医師 : メイヨークリニック感染症科 松尾貴公

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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抗菌薬ガイド

抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬の腎機能別投与量の計算や、主な適応疾患、スペクトラムを確認することができます。監修は、MDアンダーソンがんセンター 兼 聖路加国際病院感染症科の松尾貴公先生。

※薬剤選択時には、必ず添付文書および最新安全性情報も併せてご確認下さい。