計算
概要
監修医師

腎障害時の用量調整

CrCl1回投与量投与間隔
50~1~2g12時間ごと
10~501~2g18~24時間ごと
0~101~2g48時間ごと
血液透析
透析後1g追加
性別
kg
mg/dL
出典と注意点
青木眞(2015) レジデントのための感染症診療マニュアル 第3版 医学書院
CrCl
--
ml/min
セフメタゾール
CMZ (セフメタゾール®、 セフメタゾン®など)

ポイント

  • 第二世代セフェムの1つ (セファマイシン系でセファロスポリンとは異なる系統)。
  • GNRと嫌気性菌をカバーするため、 各種の「腹腔内感染」 に対して使用頻度が高い。
  • ESBLに活性がある報告があり、 「メロペネムの代替薬」 として考慮することがある。 
  • 米国では使用されず、 「サンフォード感染症治療ガイド」 には投与量の情報なし。
「Jons-Hopkins ABX Guide」や、 青木眞先生著 「レジデントのための感染症診療マニュアル4版」には記載あり、 詳細については 「注意点 > 腎機能別の投与量について」を参照

どんな細菌に効くの?

セフメタゾール
  • 腸内細菌などのGNR、 Bacteroidesを中心とした嫌気性菌にカバーを有する。
  • ESBL産生菌 (菌血症・尿路感染症) に効果があるという報告がある。
  • 一方、 腸球菌・緑膿菌には無効である。

日常臨床で使用する疾患例

  • 胆管炎、 憩室炎、 虫垂炎、 子宮内感染などの腹腔内感染症の第一選択薬
  • ESBL産生菌による菌血症や尿路感染症などの選択薬の1つ
  • 術前予防抗菌薬として腹部手術の際の第一選択薬

臨床使用例

1回 1-2g 8時間毎 (1日3回)

*なお、 国内の添付文書では、 最大4g/日までの増量しか認められていない.

本邦の添付文書用量は、 臨床試験や薬事承認時のデータに基づいて設定されており、 安全性を重視した記載になっていることを留意する必要がある. ただし、 最終的な保険適用の判断は保険者 (保険組合や健康保険組合など) による.

注意点

腎機能別の投与量について

  • 米国では使用されず、 「サンフォード感染症治療ガイド」 に腎機能調整含め情報なし
「Jons-Hopkins ABX Guide」や、 青木眞先生著 「レジデントのための感染症診療マニュアル4版」には記載あり.
  • 本ツールの投与例として、 「薬剤添付文書」や「薬剤性腎障害 診療ガイドライン2016」 の内容を掲載したが、 実臨床での使用に比して低用量の可能性があり、 個々の患者の状態にあわせ判断する必要がある。 
本邦の添付文書用量は、 臨床試験や薬事承認時のデータに基づいて設定されており、 安全性を重視した記載になっていることを留意する必要がある.
  • また、 もう一つの引用元である青木眞先生著 「レジデントのための感染症診療マニュアル4版」 の推奨用量についても、 本邦の薬剤添付文書の記載と異なる場合があるため、 前述の通り最終的には個々の患者の状態にあわせ判断する必要がある。
なお、 最終的な保険適用の判断は保険者 (保険組合や健康保険組合など) による.

その他の注意点

  • ジスルフィラム作用 (嫌酒作用) を有するため禁酒の指示を行う
  • ワーファリンとの相互作用でINRが延長するため頻回のINR測定を考慮する.

参考商品名

最終更新 : 2024年6月26日
監修医師 : 聖路加国際病院/MDアンダーソンがんセンター感染症科 松尾貴公

セフメタゾール
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
セフメタゾール
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CMZ(セフメタゾール、セフメタゾン®)
2022年04月08日更新

腎障害時の用量調整

CrCl1回投与量投与間隔
50~1~2g12時間ごと
10~501~2g18~24時間ごと
0~101~2g48時間ごと
血液透析
透析後1g追加
性別
kg
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出典と注意点
青木眞(2015) レジデントのための感染症診療マニュアル 第3版 医学書院
CrCl
--
ml/min

概要

CMZ (セフメタゾール®、 セフメタゾン®など)

ポイント

  • 第二世代セフェムの1つ (セファマイシン系でセファロスポリンとは異なる系統)。
  • GNRと嫌気性菌をカバーするため、 各種の「腹腔内感染」 に対して使用頻度が高い。
  • ESBLに活性がある報告があり、 「メロペネムの代替薬」 として考慮することがある。 
  • 米国では使用されず、 「サンフォード感染症治療ガイド」 には投与量の情報なし。
「Jons-Hopkins ABX Guide」や、 青木眞先生著 「レジデントのための感染症診療マニュアル4版」には記載あり、 詳細については 「注意点 > 腎機能別の投与量について」を参照

どんな細菌に効くの?

セフメタゾール
  • 腸内細菌などのGNR、 Bacteroidesを中心とした嫌気性菌にカバーを有する。
  • ESBL産生菌 (菌血症・尿路感染症) に効果があるという報告がある。
  • 一方、 腸球菌・緑膿菌には無効である。

日常臨床で使用する疾患例

  • 胆管炎、 憩室炎、 虫垂炎、 子宮内感染などの腹腔内感染症の第一選択薬
  • ESBL産生菌による菌血症や尿路感染症などの選択薬の1つ
  • 術前予防抗菌薬として腹部手術の際の第一選択薬

臨床使用例

1回 1-2g 8時間毎 (1日3回)

*なお、 国内の添付文書では、 最大4g/日までの増量しか認められていない.

本邦の添付文書用量は、 臨床試験や薬事承認時のデータに基づいて設定されており、 安全性を重視した記載になっていることを留意する必要がある. ただし、 最終的な保険適用の判断は保険者 (保険組合や健康保険組合など) による.

注意点

腎機能別の投与量について

  • 米国では使用されず、 「サンフォード感染症治療ガイド」 に腎機能調整含め情報なし
「Jons-Hopkins ABX Guide」や、 青木眞先生著 「レジデントのための感染症診療マニュアル4版」には記載あり.
  • 本ツールの投与例として、 「薬剤添付文書」や「薬剤性腎障害 診療ガイドライン2016」 の内容を掲載したが、 実臨床での使用に比して低用量の可能性があり、 個々の患者の状態にあわせ判断する必要がある。 
本邦の添付文書用量は、 臨床試験や薬事承認時のデータに基づいて設定されており、 安全性を重視した記載になっていることを留意する必要がある.
  • また、 もう一つの引用元である青木眞先生著 「レジデントのための感染症診療マニュアル4版」 の推奨用量についても、 本邦の薬剤添付文書の記載と異なる場合があるため、 前述の通り最終的には個々の患者の状態にあわせ判断する必要がある。
なお、 最終的な保険適用の判断は保険者 (保険組合や健康保険組合など) による.

その他の注意点

  • ジスルフィラム作用 (嫌酒作用) を有するため禁酒の指示を行う
  • ワーファリンとの相互作用でINRが延長するため頻回のINR測定を考慮する.

参考商品名

最終更新 : 2024年6月26日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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抗菌薬ガイド

抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬の腎機能別投与量の計算や、主な適応疾患、スペクトラムを確認することができます。監修は、MDアンダーソンがんセンター 兼 聖路加国際病院感染症科の松尾貴公先生。

※薬剤選択時には、必ず添付文書および最新安全性情報も併せてご確認下さい。