SIRSとは？

全身性炎症反応症候群 (SIRS：Systemic Inflammatory Response Syndrome) の基本概念は､ 1991年に米国胸部疾患学会および集中治療学会の合同委員会により提唱された¹⁾｡ ｢侵襲の種類に関わらず､サイトカインを中心とした免疫－炎症反応による非特異的な全身生体反応｣ を把握するための臨床概念として扱われる｡

SIRSの診断基準

以下の2つ以上を満たすときSIRSと診断する

• 体温 <36℃ または ≧38℃
• 脈拍 ≧90回/分以上
• 呼吸数 ≧20回/分 または PaCO₂ <32Torr
• 白血球 ≧12,000/mm³ または ≦4,000/mm³ または 10%以上の幼若球が出現

敗血症の診断基準の変遷

1992年､ 敗血症は｢感染症によって引き起こされたSIRSである｣と定義された¹⁾｡ 2001年､ SIRSの4項目以外の症状･所見も呈することがあり改訂版が発表された²⁾｡ 2016年､ Sepsis-3*と呼ばれる敗血症の新定義が発表され2023年現在もこの基準が用いられている³｡

*The Third International Consensus Definitions for Sepsis and Septic Shock (Sepsis-3)

敗血症の定義 (Sepsis-3)

感染症によって重篤な臓器障害が引き起こされた状態と定義される³⁾

敗血症の診断基準 (Sepsis-3)

感染が疑われ､SOFAスコアが2点以上増加したものと定義される³⁾

敗血症性ショックの診断基準 (Sepsis-3)

敗血症があり､適切な輸液治療にも関わらず持続的な低血圧 (平均動脈圧≤65mmHg) があり､ 血清乳酸値が2mmol/L (18mg/dL) 以上の場合､｢｣ と定義される³⁾

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🔢 qSOFA

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参考文献

1. Definitions for sepsis and organ failure and guidelines for the use of innovative therapies in sepsis. The ACCP/SCCM Consensus Conference Committee. American College of Chest Physicians/Society of Critical Care Medicine. Chest. 1992 Jun;101(6):1644-55. PMID: 1303622
2. 2001 SCCM/ESICM/ACCP/ATS/SIS International Sepsis Definitions Conference. Crit Care Med. 2003 Apr;31(4):1250-6. PMID: 12682500
3. The Third International Consensus Definitions for Sepsis and Septic Shock (Sepsis-3). JAMA. 2016 Feb 23;315(8):801-10. PMID: 26903338

最終更新：2023年8月19日

監修医師：聖路加国際病院救急部 清水真人