HOKUTO編集部
29日前
2024年12月、 日本血液学会による『造血器腫瘍診療ガイドライン第3.1版 (2024年版)』が公開された。 今回は、 同ガイドラインのびまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL、NOS) の節に関して、 旧版である第3版 (2023年版) からの改訂の主なポイントを紹介する。
2023年9月に、 抗CD20モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも2つの標準的な治療が無効または治療後に再発したDLBCLに対し二重特異性抗体薬エプコリタマブ (商品 エプキンリ®) が本邦で承認された。
2024年版では、 アルゴリズムの再発・難治性DLBCLの欄で、 承認された旨、 および適応となる上記DLBCL患者に対して、「エプコリタマブ療法も推奨される(カテゴリー2A)」 が追記された。
また、 根拠として以下の内容が追記された。
CRSとICANSに注意
エプコリタマブ投与において最も重要な副作用はサイトカイン放出症候群 (CRS) と免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群 (ICANS) である。 適正使用ガイドや各国のガイドラインも参考に対応について習熟しておくとよい。
海外ではglofitamabが使用可能
本邦で承認されているCD20およびCD3を標的とした二重特異性T細胞誘導 (BiTE) 抗体はエプコリタマブのみである。 一方で、 米国やカナダではglofitamabが使用可能である。
両剤の特徴として、 エプコリタマブが病勢進行 (PD) まで投与を継続する必要があるのに対して、 glofitamabは12サイクルの固定期間であることが挙げられる。
Glofitamab +ゲムシタビン+オキサリプラチン (Glofit-GemOx) 併用療法と抗CD20抗体リツキシマブ+ゲムシタビン+オキサリプラチン (R-GemOx) 併用療法を比較した第Ⅲ相多施設共同非盲検無作為化試験STARGLOでは、 Glofit-GemOxにおいて全生存期間 (OS) および無病生存期間 (PFS) が有意に延長した。
これらの結果から、 本邦におけるglofitamabの承認、 およびオキサリプラチン (商品名 エルプラット®) のDLBCLに対する適応追加承認が望まれる。
STARGLO:再発/難治性DLBCLで初!CD20✕CD3標的二重特異性抗体併用でOS改善
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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