新薬承認情報
24日前
医薬品医療機器総合機構 (PMDA) は、 2025年3月に22種類の医薬品が厚生労働省から承認を受けたと発表した (うち新規有効成分7剤)。
アコラミジス (ビヨントラ®) は90%超の安定化作用を有する次世代のトランスサイレチン (TTR) 四量体安定化薬で、 トランスサイレチン型心アミロイドーシス (ATTR-CM) の根本原因である 「レスキュー変異」 TTR 遺伝子 (T119M) を模倣することでアミロイド線維形成を阻害し、 疾患進行を抑制する。 ATTR-CMに対する経口治療薬として、 国内で初めて承認された。
今回の承認は、 国際第III相試験ATTRibute-CMおよび国内第III相非盲検試験の結果に基づく。 国内試験では25例中22例が30ヵ月間の治療を完了し、 主要評価項目である6分間歩行距離や死亡率、 心血管関連入院頻度において良好な結果を示した。 死亡例は報告されず、 心血管関連入院頻度は0.13/人年と、 プラセボ群 (0.45/人年) と比較して低値であった。
マバカムテン (カムザイオス®) は、 心筋ミオシンATPアーゼ活性を抑制する選択的低分子阻害薬であり、 過剰な心筋収縮を是正することで閉塞性肥大型心筋症 (HCM) の症状を緩和する。 HCMの病態に直接介入する初の薬剤となる。
今回の承認は、 国内第III相試験HORIZON-HCMおよび国際第III相試験EXPLORER-HCMの結果に基づく。 HORIZON-HCM試験では、 日本人患者17例を対象に、 左室心筋重量係数 (LVMI)、 最大左室壁厚、 左房容積係数などの構造・機能パラメータが有意に改善した。 通常、 成人には2.5mgを1日1回から開始し、 状態に応じて適宜増減する。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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