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最新薬剤情報 & 使い分け

18日前

【薬の使い分け】便秘薬の分類がわかる!内服薬・坐薬・漢方薬など新薬も紹介


今回は「便秘症治療薬」を整理します!
2012年にアミティーザ®︎ (ルビプロストン) が32年ぶりの便秘症治療薬として発売されて以降、 続々と便秘症治療薬が登場しています. 

便秘薬一覧

コントロール薬 (従来)

注意 *1「産婦人科術後の排ガス・排便の促進」 、 「小児における便秘の改善」 *2 「過敏性腸症候群における便通異常 (下痢、 便秘) 及び消化器症状」 *3 「慢性胃炎に伴う消化器症状 (胸やけ、 悪心・嘔吐) 」 、 「経口腸管洗浄剤によるバリウム注腸X線造影検査前処置の補助」 *4 保険適用はコタロー大建中湯エキス細粒「弛緩性便秘」のみ

コントロール薬 (新規薬剤)

注意*5 「オピオイド誘発性便秘症」

レスキュー薬

①浸透圧性下剤

腸内の浸透圧を上げることで水分を増やし、 便を柔らかくすると同時に膨大させ、 腸の蠕動運動を亢進し排便を促します.

酸化マグネシウムは症状に応じた用量調整も比較的容易で、 便秘症治療の第一選択とする先生も多いようです.

糖類下剤のモニラック®︎は、 産婦人科術後もしくは小児に対する適応のみ.

💊用法用量、薬価詳細はこちら!

マグミット®錠ミルマグ®︎錠硫酸マグネシウムモニラック®︎原末 / シロップラグノス®︎NF経口ゼリーモビコール®︎配合内用剤


②膨張性下剤

消化管で吸収されず、 水分を保持しながら腸管内に移動し、 便と混ざることで、 便を柔らかくすると同時に膨大させ、 腸の蠕動運動を亢進、排便を促します. 便秘症の適応はカルメロースナトリウム原末のみ.

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カルメロースナトリウム原末コロネル®︎錠 / 細粒ポリフル®︎錠 / 細粒


③浸潤性下剤

界面活性作用により、 便の表面張力を低下させ、 便に水分を浸透させやすくし、 便を柔らかくして排便を促します. ジオクチルソジウムスルホサクシネートに刺激性下剤であるカサンスラノールを配合したビーマス®︎、 ベンコールが発売されています.

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ビーマス®︎錠ベンコール錠


④消化管運動賦活剤

海外では選択的セロトニン5-HT4受容体刺激薬が使用されていますが、 日本では便秘症の適応をもつ薬剤は存在しません. 同様の作用を有するモサプリド (ガスモチン®︎) が保険適用外として便秘症、 便秘型の過敏性腸症候群 (IBS:Irritable Bowel Syndrome) に使用されることがあります.

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ガスモチン®︎錠 /


⑤漢方薬

漢方薬を用いることで一時的な排便ではなく、 便秘体質を改善することを目的としています. 保険適用を受けている代表的な漢方薬は三黄瀉心湯、 大承気湯、 大黄甘草湯、 桂枝加芍薬大黄湯、 桃核承気湯、 潤腸湯、 調胃承気湯、 通導散、 防風通聖散、 麻子仁丸、 大建中湯などです.

漢方薬を構成する生薬の一つのダイオウ (大黄) には刺激性下剤に分類されるセンノシド (アントラキノン系薬剤) が多く含まれるため、 長期服用の際には耐性に注意する必要があります.

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三黄瀉心湯大承気湯大黄甘草湯桂枝加芍薬大黄湯桃核承気湯潤腸湯調胃承気湯通導散防風通聖散麻子仁丸大建中湯


⑥上皮機能変容薬

新たな作用機序の便秘薬. 腸管粘膜上皮に作用し、 腸管内の水分分泌を増加させることで、 排便を促進させます. クロライドチャネルアクチベーターであるルビプロストン (アミティーザ®︎) 、 グアニル酸シクラーゼC受容体アゴニストであるリナクロチド (リンゼス®︎) が発売されています. リナクロチドは便秘型IBS、 慢性便秘症の適応があります.

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アミティーザ®︎カプセルリンゼス®︎錠


⑦胆汁酸トランスポーター阻害剤

回腸に存在する胆汁酸トランスポーターを阻害することで胆汁酸の再吸収を抑制し、 大腸内の胆汁酸濃度を上昇させ、 大腸内での水分分泌と運動を促進し、 排便を促します.

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グーフィス®︎錠


⑧オピオイド誘発性便秘症治療薬

オピオイドは中枢のμ受容体を介して鎮痛作用を発揮しますが、 末梢のμオピオイド受容体を刺激することで消化管運動を抑制してしまい、 オピオイド誘発性便秘症 (OIC:Opioid-Induced Constipation) を引き起こしてしまいます. ナルデメジン (スインプロイク®︎) は末梢のμ受容体に結合し、 オピオイドと拮抗することでOICを改善します.

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スインプロイク®︎錠


⑨刺激性下剤

アントラキノン系とジフェニール系に細分されます. 大腸粘膜に刺激を与えて蠕動運動を促進させ、 排便を促します. 他の薬剤と比較して作用が強く、 即効性を保つため、 頓用で使用しても効果を発揮します. ですがその反面、 長期連用により耐性が現れると考えられています.

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プルゼニド®︎錠センノシド顆粒アローゼン®︎顆粒ヨーデル®︎錠セチロ®︎配合錠ラキソベロン®︎錠 / 内用液スナイリン®︎ドライシロップ


⑩外用薬

外用薬には坐剤と浣腸があり、 直腸を直接刺激することで排便を促します.

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テレミンソフト®︎坐薬新レシカルボン®︎坐剤グリセリン浣腸


最終更新:2022年7月11日
執筆:ぺんぎん薬剤師 @penguin_pharm
監修:聖路加国際病院救急部 清水真人

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これまでの連載例

  1. 喘息、COPD吸入薬の使い分け
  2. 便秘薬の使い分け
  3. 口腔カンジダ症治療薬の使い分け
  4. 湿布薬の使い分け
  5. HIF-PH阻害薬の使い分け
  6. ステロイド外用薬の使い分け

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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