著者

出雲雄大 (日赤医療センター呼吸器内科)

13日前

【人気】後期研修医のための呼吸器内科現場診療 ~気管支喘息~ (日赤医療センター呼吸器内科)

ポイント

  1. 喘鳴=気管支喘息」というわけではない!
  2. 気管支喘息は肺がんなどと違い、病理診断では確定できない. 気管支喘息らしいという思いからそれ以外の疾患を除外し診断!
  3. COPD心不全との鑑別が重要!時に合併.
  4. 喀痰好酸球末梢血好酸球数血清IgE値は気管支喘息の診断と治療方針決定に役立つ!
  5. 呼気中一酸化窒素(FeNO)は気道炎症に程度を数値化できる簡便な検査であり、気管支喘息の診断および治療方針決定に役立つ!

喘鳴や咳を伴う呼吸困難感の患者が外来を受診したら(ERを除く)

  • バイタルサインの安定が最も重要である.
  • 症状がどのくらい持続しているのか、 1日のうちで変動するのかをまず確認する.
  • 喀痰発熱を伴うのかどうかを確認する.

発熱を伴う場合 (含む濃厚接触者など)

  • COVID-19の蔓延状況では、 鑑別は非常に重要. そのため、 呼吸困難や咳嗽を伴う発熱者であった場合はCOVID-19の否定を行う.
  • 発熱外来など他患者から隔離できる状況でCOVID-19 PCRまたは抗原検査胸部画像検査を行う必要がある.
  • COVID-19を否定後、次の段階に進む.

COVID-19否定後

1.胸部聴診

  • 強制呼出で喘鳴聴取 → 咳優位型喘息
  • 異常なし→ 2へ

2.胸部レントゲン検査

  • 異常あり → 副鼻腔気管支症候群疑い
  • 異常なし → 3へ

3.いずれも異常なし

  • 湿性咳嗽 → 副鼻腔気管支症候群疑い
  • 乾性咳嗽 → 4へ

4.FeNO検査

  • 正常:アトピー咳嗽GERD疑い
  • 高値:咳喘息疑い

外来での気管支喘息治療

  1. 基本は吸入ステロイド薬(ICS)長時間作用型β2刺激薬(LABA)の合剤、ICS/LABAである.
  2. ICS/LABAでコントロール不十分の場合はまず吸入手技を見直す(吸入方法は後述参照).

吸入薬ミストタイプ(噴霧式)

吸入薬ドライパウダー式

pMDIとドライパウダー式どちらを選ぶ?

  • 短時間で最適解を見極めるのは難しい.
  • 強く息が吸えない患者ではpMDIを薦める.
  • ただし、 アルコール臭が苦手な場合はドライパウダーの方が無難である.
  • 多くの場合、 pMDIはフルティフォーム®︎、 ドライパウダーではシムビコート®︎レルベア®︎アテキュラ®︎から選ばれている.
  • 1日1回吸入が簡便だが、 患者によっては朝晩吸入することで安心感が得られるという場合もあり、患者に寄り添った処方が重要.

それぞれの特徴

勢いよく吸入できる

  • アルコール臭が合わない → DPI
  • アルコール臭が平気 → ミスト、特にpMDI

勢いよく吸入できない

  • ミストタイプを推奨
  • 同調できなければスペーサーと介助者

ICS/LABAでコントロール不良の場合

  • 長時間作用型抗コリン薬 (LAMA) の吸入追加をまず検討する.
  • 特に痰・咳嗽が多い時、LAMAが効果を発揮.
  • ICS/LABAに追加する場合はICS/LABA/LAMAのトリプル製剤を考慮する.

吸入の仕方

  • アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などを合併することも多く、 口から吸入して鼻から吐く 「経鼻呼出法」 をすすめる.
  • 口からの吸入は 「ホーの口 (ホーと発声する口の形)」 で吸入すると口腔内に余分な吸入製剤が残らない.

吸入や内服でコントロール不良の場合

  • 生物学的製剤サーモプラスティを検討.
  • サーモプラスティでは、高周波電流により気管支壁を加熱することで、肥厚した気道平滑筋を減少させ、喘息発作を緩和させる.
  • これらの介入を要する場合、 上級医や専門医に相談する.

気管支鏡下サーモプラスティ

生物学的製剤


日本赤十字社医療センター呼吸器内科 HP

呼吸器内科 後期研修医募集案内

一言:当科では日本全国から後期研修医を募集しています. ぜひ一度見学に来てください.


連絡先:研修担当(部長) 出雲雄大

メール:izumo_takehiro@med.jrc.or.jp

こちらの記事の監修医師
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聖路加国際病院 救急部 清水真人先生
聖路加国際病院
救急部 清水真人先生

2013年慶應義塾大学医学部を卒業。初期臨床研修修了後、2015年聖路加国際病院救急部入局。就任間もなく聖路加ベストティーチャー賞を連続受賞。救急・集中治療、 医学教育を専門とする他、Webツールの医療現場での利用に精通し、 複数の雑誌で連載を行う。

聖路加国際病院 救急部 清水真人先生
聖路加国際病院
救急部 清水真人先生

2013年慶應義塾大学医学部を卒業。初期臨床研修修了後、2015年聖路加国際病院救急部入局。就任間もなく聖路加ベストティーチャー賞を連続受賞。救急・集中治療、 医学教育を専門とする他、Webツールの医療現場での利用に精通し、 複数の雑誌で連載を行う。

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