TNM臨床分類(UICC-8版)
T-原発腫瘍
- T0:原発腫瘍を認めない
- Tis:上皮内癌
- Tis (DCIS) :非浸潤性乳管癌
- Tis (LCIS) :非浸潤性小葉癌
- Tis (パジェット)
- T1:腫瘍最大径 ≦ 2cm
- T1mi:最大径 ≦ 0.1cmの微小浸潤
- T1a:0.1cm < 最大径 ≦ 0.5cm
- T1b:0.5cm < 最大径 ≦ 1cm
- T1c:1cm < 最大径 ≦ 2cm
- T2:2cm < 腫瘍最大径 ≦ 5cm
- T3:腫瘍最大径 > 5cm
- T4:腫瘍の大きさに関係なく胸壁かつ/または皮膚へ直接的な広がりを示す (潰瘍形成あるいは皮膚結節)
- T4a:胸壁へ広がる腫瘍 (胸筋浸潤のみは除く)
- T4b:潰瘍形成、 同側乳房の衛星皮膚結節あるいは皮膚の浮腫(橙皮状皮膚を含む)
- T4c:T4aとT4bの両方
- T4d:炎症性乳癌
N-所属リンパ節
触診、 超音波検査所見、 CT所見などの画像診断所見をもとに、 所属リンパ節転移を評価する。 臨床分類 (cN) と病理学的分類 (pN) で基準が異なるため要注意。
臨床分類 (cN)
- cN0:所属リンパ節転移なし
- cN1:可動性の同側腋窩レベルI/IIリンパ節転移
- cN2:臨床的に固定または癒合した同側腋窩レベルI/IIリンパ節転移、 あるいは臨床的に明らかな腋窩リンパ節転移を伴わず臨床的に検出された同側内胸リンパ節転移
- cN2a:相互に固定した、 あるいは周囲構造に固定している腋窩リンパ節転移
- cN2b:臨床的に明らかな腋窩リンパ節転移を伴わず臨床的に検出された内胸リンパ節転移
- cN3:腋窩レベルI/IIリンパ節転移の有無を問わない同側鎖骨下 (腋窩レベルIII) リンパ節転移、 あるいは臨床的に明らかな腋窩レベルI/IIリンパ節転移を伴い臨床的に検出された同側内胸リンパ節転移、 あるいは腋窩または内胸リンパ節転移の有無を問わない同側鎖骨上リンパ節転移
- cN3a:鎖骨下リンパ節転移
- cN3b:内胸および腋窩リンパ節転移
- cN3c:鎖骨上リンパ節転移
病理学的分類(pN)
- pN0:所属リンパ節転移なし
- pN1:微小転移、 あるいは1~3個の同側腋窩リンパ節転移、 かつ/あるいは臨床的に検出されないが、 センチネルリンパ節生検により検出された内胸リンパ節転移
- pN1mi:微小転移 (最大径 > 0.2mm かつ/あるいは細胞数 > 200個だが≦ 2.0mm)
- pN1a:1~3個の腋窩リンパ節転移で、 最大径 > 2mmを少なくとも1個含む
- pN1b:臨床的に検出されない内胸リンパ節
- pN1c:1~3個の腋窩リンパ節転移かつ臨床的に検出されない内胸リンパ節転移
- pN2:4~9個の同側腋窩リンパ節転移、 あるいは腋窩リンパ節転移を伴わず臨床的に検出された同側内胸リンパ節転移
- pN2a:4~9個の腋窩リンパ節転移で、 > 2mmを少なくとも1個含む
- pN2b:腋窩リンパ節転移を伴わず臨床的に検出された内胸リンパ節転移
- pN3
- N3a:同側腋窩リンパ節転移 ≧ 10 (少なくとも1個は > 2mm) 、 あるいは鎖骨下リンパ節転移
- N3b:転移陽性の腋窩リンパ節が存在し臨床的に検出された同側内胸リンパ節転移、 あるいは臨床的に検出されないが、 センチネルリンパ節生検により検出された顕微鏡的または肉眼的転移がみられる内胸リンパ節転移を伴う4個以上の腋窩リンパ節転移
- N3c:同側鎖骨上リンパ節転移
M-遠隔転移
病期分類 (UICC-8版)
臨床病期分類

術後病理学的病期分類

乳癌取扱い規約との違い


使用上の注意
本ツールはUICC第8版のTNM分類に則して作成しています¹⁾。 なお、本邦の癌取扱い規約²⁾においては、 分類や付記内容の記載方法が異なるため、 正式な記載においてはこれらの成書をご確認ください。
参考文献
- Brierley JD, Gospodarowicz MK, Wittekind C. TNM Classification of Malignant Tumor. 8th ed. Wiley-Blackwell; 2017.
- 日本乳癌学会. 「乳癌取扱い規約 第18版」金原出版, 2018, 128p
- 国立研究開発法人国立がん研究センター. 「国立がん研究センターがん情報サービス」https://ganjoho.jp/med_pro/cancer_control/can_reg/hospital/pdf/breast2022.pdf (参照2022-11-7)
最終更新:2022年11月7日
監修医師:HOKUTO編集部医師