本研究では、成人先天性心疾患（ACHD）患者における心房細動（AF）の疫学的スペクトルを調査し、一般集団と比較した。結果として、ACHD患者ではAFの発症率が年齢とともに増加し、70歳前後で頭打ちになることが分かった。一方、非ACHDの一般集団ではAFの発症率は年齢とともに着実に増加した。ACHD患者ではAFの発症が30年早く、発症率が10～20倍高いことが示された。

本研究はACHD患者と一般集団のAF発症率を比較し、ACHD患者ではAFの発症が早期に現れることを示している。ただし、非ACHD患者のAF発症率は上昇を続けるため、ACHDにおけるAFの負担が無限に拡大することはないと考えられる。今後の研究で、AFの発症に関与する要因や予防策について検討することが重要である。