本研究では、レジオネラ肺炎の入院患者における副腎皮質ステロイドの使用と院内死亡率との関連を調査した。160例の患者を対象とし、32例（20％）にステロイドが投与された。全死亡率は7.5％で、ステロイド投与群では死亡率に有意差はなかった。ステロイド使用は、高血糖および消化管出血と有意に関連していた。副腎皮質ステロイドの投与は入院期間の延長や死亡率と有意な関連はないことがわかった。

本研究はレトロスペクティブ・コホート研究であり、副腎皮質ステロイドの使用がレジオネラ肺炎の入院患者において死亡率や入院期間に有意な影響を与えないことを示している。ただし、副腎皮質ステロイド使用は高血糖や消化管出血と有意に関連しており、注意が必要である。今後の研究でさらなる検証が求められる。